Appleによると近い将来Apple WatchでVO2maxがより効果的に測定できるようになるというニュースを聞いて、VO2maxとは何ぞやと思っているかもしれません。
有酸素運動のフィットネスレベルを測るもので、それを知るにはガジェットは不要です。
VO2maxとは?
VO2maxとは、最大酸素摂取量のことです。
エクササイズの時に体が1分間に使う酸素の最大量です。体が大きい人は当然多くの酸素を使うので、この数値は体のサイズに合わせて調整されます。
最大酸素摂取量は、有酸素運動能力を測る適切な尺度だと考えられています。
高校の生物学の授業を思い出してください。
体は酸素と食物を使い、使用可能な化学エネルギーを作っていると学びました。
酸素量は生成されるエネルギーの量と直接相互関係があります。つまり、多く運動すればするほど、より多くの酸素が必要になるということです。
ですから、一流のマラソンランナーのように有酸素運動能力が飛び抜けている人は、そうではない人よりも多くの運動(速く走ること)ができます。その結果、そんな人たちはランニング1分あたりでずっと多くの酸素を摂取するのです。
典型的な人の最大酸素摂取量は、30台から40台のどこかにあてはまるでしょう。
運動量を増やすとその数値を高めることができます。精鋭サイクリスト、スキー選手、ウルトラランナーは70台から80台の数値かもしれませんし、少数ですが90台を出した人もいます。
なぜ数値が高いほうがいい?
大量の酸素を使えるようになるためには、健康な肺だけではなく、筋肉に酸素を届けるための強い心臓と健康な循環器系も必要です。
そして、毎分しっかり働いてくれる筋肉の量も必要です。最大酸素摂取量は、有酸素運動に関する多くの重要なことを1つの単純な数値にまとめて表していると言えます。
ただし、この数値がフィットネスや有酸素運動能力のすべてではないということは覚えておくべきでしょう。まず最大酸素摂取量は血液量や筋肉量などの要因に影響されるため、他人の数値と比較しても意味はありません。
たとえば、フィットネスレベルが同じ場合、男性のほうが女性よりも約10ポイント高くなる傾向があります。普段は自分の正確な最大酸素摂取量というのはわからないのです。
自分の最大酸素摂取量を測る方法
最大酸素摂取量を調べる代表的な方法は、ラボでチューブを通して呼吸しながらエクササイズすることです。
実際に使っている酸素量を機器で測定。トップアスリートやコーチがはっきりした最大酸素摂取量を知りたい場合は、この検査を受けることがあります。
でも、違う方法で有酸素運動能力を測定し、最大酸素摂取量の妥当な推定値を得るためにできるトレーニングがあります。
ランナーの場合は、このチャートで最近のレース時間を調べて、自分の最大酸素摂取量とほぼ相関するVDOTを見つけることができます(たとえば、私のベストマイルタイムではVDOTは38になります)。
ワークアウトから最大酸素摂取量を推定するには、絶対最大有酸素出力に達する何かをしなければなりません。レースはこれに当てはまります。
12分間でトラックを何周できるかというようなランニングのテストもいいでしょう。そういえば体育の授業でやったテストがありました。
高さのある踏み台昇降を何度もやるというテストでした。快適とは言えませんが、その結果は、時間が経つにつれ自分の運動能力が向上しているかどうかを判断する基準にすることができます。
Apple Watchが教えてくれること
Apple Healthアプリには、何年もの間ほかのフィットネス指標の中に埋もれている最大酸素摂取量の推定値があります(新しいソフトウェアによってこの点は改善するはずなのですが)。
通常、ユーザーの歩く速度または走る速度と心拍数を組み合わせて、最大の運動量にどれだけ近いか、最大のペースはどこかを解明しようとしているのです。
たとえば、2019年春にハーフマラソンのトレーニングをしている間、Apple Watchによって著者の最大酸素摂取量は38あたりと定められました。
すでにリンクしていたVDOTチャートには、著者のハーフマラソンの所要時間2時間8分28秒に対して33〜34の値がありました。
ラボでテストしたことはないので、どちらがより正確なのかはわかりません。
フィットネスウォッチが表示する最大酸素摂取量は推定の推定値なので、著者はその数字にそれほど信頼を置かないでしょう。
でもトレーニングをするにつれ最大酸素摂取量が着実に上がっているようなら、実際に走る速さが速くなっているか、または、ペースが同じでもより少ない労力で走れているか、そのどちらかである可能性が高いと思います。
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Image: Shutterstock
Source: Training4Endurance, Runnersworld(1, 2,)
Beth Skwarecki - Lifehacker US[原文]