コロナ閑古鳥が鳴く店内で考えるべき、ピンチを好機に変える方法

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拡大する新型コロナウイルス感染症の影響で売上が激減するなど、多くの小売店が苦境に立たされています。いつまで続くかわからないこの現状に、経営者は悲観しているだけでよいのでしょうか。経営者は今、何を見据え、どんな手を打つべきなのでしょうか。今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』では著者で経営コンサルタントの梅本泰則さんが、このピンチを耐え抜くために小売店がすべきことを記しています。

ピンチとチャンス

新型コロナウイルスの猛威は衰えることを知りません。その影響で、学校が休校になってしまいました。町のスポーツショップにとっては痛いですね。少なからず影響が出ることは、免れません。

しかし、こんな風に言われます。「ピンチはチャンス」。これはスポーツの世界でもよく言われることです。なぜかピンチの後にはチャンスがやってくるケースが多いからでしょう。

また、「チャンスはピンチの顔をしてやってくる」という言葉もあります。これは私の好きな言葉でもあります。ピンチとチャンスは同じ時期に現れるということでしょう。実際に私はそんな経験を何度もしています。人生のピンチや仕事のピンチのあとに、チャンスがやってくることがよくあるのです。

そして、こんな言葉もあります。「チャンスの神様には前髪しかない」。チャンスは通り過ぎる前に気が付いて捕まえろということでしょう。前の二つの言葉から考えると、ピンチが来た時にこそチャンスが隠れているので見逃してはいけないということです。

これらの言葉が言わんとしていることは、要は、モノの見方、とらえかたの問題だということでしょう。実は、このことは、以前にお話をしました「SWOT分析」にも同じようなことが言えます。「SWOT分析」の「O」と「T」は、「機会」と「脅威」です。市場で起こっていることを、「機会」ととらえるか「脅威」ととらえるか、見方によってはどちらともとらえられます。

機会と脅威

例えば「少子化」の問題です。「少子化」は、スポーツショップにとって、「脅威」とも言えますが「機会」とも言えます。どういうことかと言いますと、少子化によって今までの客層が少なくなっていくので客数が減ってしまうということが「脅威」です。一方、見方を変えれば、減っていくと考えられる客層に対して今まで以上に客単価を上げたり、リピート購買を増やしたりする方法を考えられる「機会」だとも言えます。

また例えば「流通政策の変化」ということも、市場の流れです。メーカーさんの力が強くなって、問屋さんの影響力が弱くなっていることが流通政策の変化をもたらしています。このことにより、メーカーさんや問屋さんからのサポートを今までのように受けられなくなると考えればこれはスポーツショップにとって「脅威」です。一方、全国横並びのスポーツショップから脱皮する「機会」がきたと考えることもできます。今こそ本当の経営力を身につけたり、自らの手で商品開発をしたり、新業態のお店を展開したりする絶好機でもあるのです。

このように、起こっていることは、一方では「脅威」とも考えられますし逆に「機会」だとも考えられます。「ピンチ」と「チャンス」も同じなのです。ですから、今回の新型コロナから受ける影響についても、そのように捉えることが出来るのではないでしょうか。

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