アトピー性皮膚炎を悪化させない最新予防策【後編】
アレルギーを引き起こす原因である「アレルゲン」は、アトピー性皮膚炎の悪化要因にもなります。今回は、アレルゲンの中でも意外に知られていない「マラセチア」というカビ(真菌)の一種について説明します。
皮膚に常在するカビが悪化の原因に
アトピー性皮膚炎の原因には「遺伝因子」と「環境因子」があります。遺伝因子は生まれつき皮膚のバリアー機能が弱いことです。一方、ダニやハウスダスト、食品などのアレルゲンや汗などの刺激物質が環境因子で、アトピー性皮膚炎の悪化要因となります。マラセチアも、環境因子の一つです。
カビというと湿気で生じる部屋やお風呂のカビが思い浮かびますが、このマラセチアは皮膚にすみついていて、常在菌といわれるものです。常在菌はヒトの体に存在する細菌やカビなどの微生物のうち多くの人に共通し、通常は病気の原因にはならないものをいいます。
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かくた皮膚科クリニック院長
かくた・みえ 東京都出身。1988年東京医科歯科大卒業。当初は内科医局に入局するが、皮膚科への転身を決意し、92年順天堂大皮膚科学教室入局。先天性表皮水疱症という難病の研究を行う一方、皮膚科全般の研さんを積んだ。美容皮膚科の専門クリニックで一般皮膚科とは異なる体系の技術、知識を学んだ後、09年に開業。特にニキビ治療と育毛治療の経験が豊富で、医師対象のセミナー等で講師を務めることも多い。美容皮膚科については科学的エビデンス(根拠)があり、効果が実証されている方法のみ取り入れている。かくた皮膚科クリニックウェブサイト
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