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5連覇を目指し、英国と米国を追いかける位置でバトンを受け取ったボルトは一気に加速した。しかし、30メートルほど走ったところで走りが乱れ。苦しげに顔をゆがめた。右足だけで少しずつ進むが途中でバトンを投げ捨て倒れ込む。長年、世界中を魅了してきたボルト劇場の終わりは唐突に訪れた。
地元・英国がトップでフィニッシュへ向かうハイライトの瞬間ながら、観客席の視線はトラックで横になって頭を抱えるスターに集中。悲鳴が響き、多くのファンも頭を抱えた。
1週間前の男子100メートル決勝では3位に終わった後もグラウンドに最後まで残り、観客を喜ばせたボルト。しかし希代のエンターテイナーにとっても、最後の走りが予想外の結果で終わったショックは大きかった。仲間に支えられながら立ち上がり、観客へ手を振ったが再び顔をゆがめて、左足を引きずりながらトラックを後にした。ジャマイカのチームドクターは「左太もも裏より、負けた失望による痛みの方が大きい」と心情を代弁…
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