幻の「芋酒」100年ぶり復活 沖縄の泡盛業者「地元の素材で農業振興にも」

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那覇市での離島フェアに出展した3社のイムゲー。左から多良川、請福酒造、久米島の久米仙=沖縄セルラーパーク那覇で2019年11月15日午後1時50分、遠藤孝康撮影
那覇市での離島フェアに出展した3社のイムゲー。左から多良川、請福酒造、久米島の久米仙=沖縄セルラーパーク那覇で2019年11月15日午後1時50分、遠藤孝康撮影

 沖縄の泡盛メーカーが、かつて沖縄で庶民に親しまれながらも大正末期に途絶えたサツマイモが主原料の蒸留酒「芋酒(ンムザキ)」を、現代の製法で約100年ぶりに復活させた。「イムゲー」と名付け今年8月から沖縄県内を中心に本格販売を始めたところ反響は上々で、来年はさらに数社が製造に加わる見込み。泡盛の販売はこのところ低迷しており、「幻の酒」が救世主となるか業界で期待が集まっている。

 沖縄の酒といえば「泡盛」が有名だが、琉球王朝時代は製造が厳しく管理され、上流階級しか口にできなかった。その代わり庶民に普及していたのが芋酒だった。米作りが難しかった沖縄では、17世紀前後にもたらされたサツマイモが主食となり、家庭でも酒造りに使われた。1896年の県の統計によると、泡盛の製造拠点が約270戸だったのに対し芋酒は7500戸以上で造られていた。

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