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「対策が不十分なら再度流行」 抗体保有の少なさが語る第2波への備えの重要性

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新型コロナウイルスの抗体保有検査会場で行われた採血のデモンストレーション。看護師は感染対策としてフェースガードなどを装着していた=東京都板橋区で2020年6月1日午前8時27分、北山夏帆撮影
新型コロナウイルスの抗体保有検査会場で行われた採血のデモンストレーション。看護師は感染対策としてフェースガードなどを装着していた=東京都板橋区で2020年6月1日午前8時27分、北山夏帆撮影

厚生労働省は、東京、大阪、宮城の3都府県で住民約8000人に新型コロナウイルスの抗体検査を実施したところ、東京で0・10%、大阪で0・17%、宮城で0・03%が陽性だったと発表した。人口に対する報告感染者数の割合(5月31日時点)と比べ、抗体を持っていた人の割合は東京で2・6倍、大阪で8・5倍、宮城で7・5倍となり、各地で一定程度、無症状や病院を受診しないまま回復した感染者がいた可能性がある。

米NY州に比べ際立つ日本の低さ

 国内でこれまでに実施された厚生労働省など複数の抗体検査からは、新型コロナウイルスの流行のピークを過ぎた現在も、感染歴のある人はごく一部にとどまっている実態が浮かぶ。新型コロナの病態は未解明の部分が多く、一度感染した人が再感染を防げるのかも分かっていない。研究の進展が急がれるのと同時に、各地域での再流行への備えも重要となりそうだ。

 「結果は予測の範囲内で、大半が依然として抗体を保有していない」。厚労省の担当者は今回の結果をこう評価する。既に東京大やソフトバンクグループなどが大規模に抗体検査をしており、市中の抗体保有率は「1%未満」との相場観ができつつある中、厚労省の結果も同じ傾向だった。米ニューヨーク州が5月上旬に公表した住民1万5000人を対象にした抗体検査の結果(12・3%)と比べても、日本の低さが際立つ。

 ただ、精査が必要な部分もありそうだ。東京都は住民…

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