司法にかかわるさまざまな話題を伝えます。
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記者のこだわり
自民パー券「裏金議員」に納税の必要なし? 国税当局は動くのか
2024/3/12 07:00 1986文字「#確定申告ボイコット」「#納税拒否」――。確定申告シーズンのさなか、SNS(ネット交流サービス)に国民の怒りが相次いで書き込まれている。自民党派閥の政治資金規正法違反事件を巡り、「裏金議員」たちの「納税不要」とする考えと、納税者の一般常識とに大きな乖離(かいり)があるからだ。政治不信が高まる中、
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「最高の娘」「父が心配」71歳と44歳が“万引き家族”になるまで
2024/1/30 18:21 0文字 -
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「最高の娘」「父が心配」71歳と44歳が“万引き家族”になるまで
2024/1/30 07:00 1885文字「物を盗みたい」。そんな衝動を制御できないという71歳の父親は、44歳の無職の次女を巻き込んで万引きを繰り返した。父親は「最高の娘」と誇り、次女は「父が心配」とかばった。取材を重ねていくと、お互いに生きづらさを抱えながら依存し合う「万引き父娘」の姿が見えてきた。 ◇始まりは、妻の死 父親によると、
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「検事の右腕」だった女性が落ちたわな “機密書類”運んで逮捕
2023/12/8 15:00 2124文字「【日当3万円】研修期間あり」――。司法試験を目指して勉強にいそしんでいた元検察事務官はある日、インターネットの掲示板「ジモティー」で、配送スタッフのアルバイト募集を見つけた。軽い気持ちで応募したが、それが「転落」の始まりだったことに、その時は気がつかなかった。 ◇法曹に憧れ 東京地検でも勤務 「
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聴取報告書は「勝手な作文」 自責の念と警察への憤り抱く有識者
2023/12/8 05:31 1969文字「これは作文だ」。化学機械製造会社「大川原化工機」(横浜市)の起訴が取り消された問題で、警視庁公安部に意見を述べた有識者が毎日新聞の取材に応じた。了承なく聴取報告書が作成され、捜査に使われていたことも知らなかったという。「冤罪(えんざい)」事件に力を貸してしまったのか――。教授らは、自責の念と警察
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なぜ現職警察官は「捏造」と証言したのか 起訴取り消しの舞台裏
2023/12/6 19:14深掘り 2816文字「まあ、(事件は)捏造(ねつぞう)ですね」。社長らが違法に逮捕、起訴されたとして化学機械製造会社「大川原化工機」(横浜市)が起こした国家賠償訴訟の証人尋問で2023年6月、警視庁の現職警察官が異例の捜査批判を展開した。規律を重んじる警察組織で起きた「反乱」。真相を探ろうと記者が事件関係者を訪ね歩き
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「子の連れ去り」が社会問題に 子の利益とは? 日本の制度の欠陥
2023/10/6 07:00 1331文字近年、日本で社会問題化する他方の親の同意を得ない「子の連れ去り」。父母間で子の奪い合いが激化するケースも多く、今夏には、卓球元日本代表の福原愛さんの元夫が、福原さんに対して長男を引き渡すよう求める記者会見を開いたことでも話題となった。問題の解決のために、どのような取り組みや姿勢が求められるのか。米
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我が子に会えず、この国に絶望 違法認定も「連れ去り勝ち」の現実
2023/10/6 07:00 2095文字他方の親の同意を得ない「子の連れ去り」が社会問題化している。母親による子連れ別居はよくあることとして受け止められてきたが、子の身の回りの世話をしていることが離婚後の親権争いで有利に働くと広く知られるようになり、近年は父親による子の切り離しも顕在化している。「連れ去り勝ち」とも言われる、家族間紛争の
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体調不良…意識失い暴走 「はとバス」死亡事故、刑事責任の行方
2023/8/6 06:00 2243文字体調不良を自覚しながら観光バス「はとバス」(東京都)のハンドルを握った運転手は仕事中に意識を失い、死亡事故を起こした。後の検査でインフルエンザにかかっていたことが判明したが、2年3カ月後、検察当局は、事故の刑事責任を追及できないとして運転手を不起訴処分にした。「責任が明白そうな事故で、なぜ不起訴な
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「違憲状態」の真意は? 同性婚訴訟で見えた裁判官のためらい
2023/7/26 06:00 2009文字それは弁護団にとっても予想外の判決だった。同性カップルの婚姻を認めていない現行制度の違憲性が争われている同性婚訴訟で、これまでに出た5地裁判決のうち2件は「違憲状態」にあるとして、白黒を決めなかった。違憲状態は、選挙区間の1票の格差を巡る訴訟で使われてきた法的判断で、これまで他の訴訟では持ち出され
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汚職の主導者か、人質司法か 7カ月勾留KADOKAWA前会長の「孤独」
2023/7/3 05:30 2063文字「会長への過度のそんたく」――。出版大手「KADOKAWA」(東京都)は、前会長の角川歴彦(つぐひこ)被告(79)ら元幹部3人が贈賄罪に問われた東京オリンピック・パラリンピック汚職事件をこう総括する。6月15日に前会長の部下を有罪とした東京地裁判決も、原因を「会長の意向」と断じた。現経営陣と部下、
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状況再現、下着の提出…性被害に遭った弁護士が実感した心的負担
2022/9/14 16:00 1979文字東京弁護士会所属の弁護士、青木千恵子さん(45)は約2年前、自身が強制わいせつの被害に遭い、直後に警察で事情を聴かれた。犯罪行為を立証するのに不可欠な捜査手続きだと頭では分かっていた。だが、しばらくして、被害当時の状況や警察官とのやり取りを思い返すと体が拒否反応を起こすようになった。被害者の立場か
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ふるさとが「破壊された」司法が認め、再燃する原発事故「賠償」議論
2022/6/10 18:32 1982文字政府が定めた原発事故の賠償基準は避難を続ける人たちにとって十分なものなのか――。2011年3月の東京電力福島第1原発事故から11年が過ぎた今、この議論が再燃している。きっかけは今年3月に最高裁が出した決定だ。政府が設けた基準を超える賠償を認めた2審判決を追認しており、避難する被災者側は「賠償の不十
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開示されぬ心神喪失者の事件情報 「事実がないものに」遺族の苦悩
2022/6/10 04:00 2508文字心神喪失者の行為は罰しない――。この刑法の規定により全国で年間400人程度の容疑者が不起訴となっている。さらに、殺人などの重大事件では「元容疑者」は入院して社会復帰を目指すことが法律で認められている。では、入院した加害者情報は被害者や遺族にどれだけもたらされているのか。現場を取材すると、「病気だか
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犯罪被害、救済求め続け 娘殺害された父、やりきれない22年
2022/5/7 02:01 2592文字横浜市の渡辺保さん(73)は2000年代に家族の死を2度経験した。長女美保さん(当時22歳)は、帰宅途中に突然、男に襲われ殺害された。妻啓子さん(同53歳)は事件のPTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しみ自ら命を絶った。民事裁判で男に約5500万円の賠償が命じられたものの、1円も支払われていない
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1円も支払われない賠償金 犯罪被害者家族、22年間の闘い
2022/5/5 08:30 2601文字横浜市の渡辺保さん(73)は2000年代に家族の死を2度経験した。長女美保さん(当時22歳)は、帰宅途中に突然、男に襲われ殺害された。妻啓子さん(同53歳)は事件のPTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しみ自ら命を絶った。民事裁判で男に約5500万円の賠償が命じられたものの、1円も支払われていない
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日大組織不全の陰に、ある姉弟の存在 事件化しなかった「疑惑」
2022/5/4 16:30スクープ 1943文字日本大学(本部・東京都千代田区)の一連の不祥事を調査していた第三者委員会は3月末に公表した調査報告書で、前理事長らによる脱税・背任事件とは別のある取引を問題視した。広報事業で特定の業者を約10年間優遇していたとするもので、第三者委は「事件と共通の要因が見られる」と指摘した。関係者を取材すると、一組
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3年で消えた5800万円の資産 司法が証券会社に鳴らした警鐘
2022/4/19 15:00 1822文字東京地裁が3月、顧客にローン契約の継続を違法に持ちかけたとして、大和証券(本社・東京都千代田区)に賠償を命じる判決を2日連続で言い渡した。原告の一人が取材に応じ、大和証券の担当者の言葉に従って、わずか3年で約5800万円相当の資産を失ったとする状況を語った。「顧客本位」の理念は置き去りにされていな
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被告は「親方」、取り込まれた刑務官 塀の中の「癒着」の実態
2022/3/16 09:00 2420文字さいたま拘置支所(さいたま市)の刑務官が2021年11月、収容中の被告に金品を渡したなどとして、停職6カ月の懲戒処分を受け、依願退職した。当事者への取材で証言を集めると、1枚の切手を渡したことから、刑務官が被告に取り込まれていった状況が浮かんだ。収容者と刑務官という特殊な関係が招いた「癒着」の実態
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トランスジェンダーが抱える母との溝 「親の意向優先しないで」
2022/1/25 17:00 1892文字自認する性が戸籍の性と異なるトランスジェンダーが、精神安定のために持っていたホルモン剤を、親の意向で廃棄することは許されるのか――。性的少数者とその親のあつれきが、こうした争点の訴訟に発展した。和解で終わったが、当事者らを取材すると、親との溝に苦悩する性的少数者の現状が浮かび上がった。 ◇「女の子
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