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「仕事+家事+育児」をこなす男たちの焦りと苦悩

藤田結子・明治大商学部教授
すやすや=関口純撮影
すやすや=関口純撮影

 厚生労働省は5月30日、2016年度の「雇用均等基本調査(速報版)」を公表しました。男性の育児休業取得率は3.16%で、前年度に比べてたった0.51ポイントしか増えていませんでした。男性の育児参加はなかなか進みません。

 こうした状況から、厚労省が企業に対して、男性社員の育休利用状況公表を義務付けることを検討するという報道もありました。現実に、育児と仕事の板挟みを周囲に理解されず、つらい思いをしている男性たちは多くいます。今回は彼らの声を取り上げます。

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明治大商学部教授

東京都生まれ。慶応義塾大を卒業後、大学院留学のためアメリカとイギリスに約10年間滞在。06年に英ロンドン大学で博士号を取得。11年から明治大学商学部准教授、16年10月から現職。専門は社会学。参与観察やインタビューを行う「エスノグラフィー」という手法で、日本や海外の文化、メディア、若者、消費、ジェンダー分野のフィールド調査をしている。