「いいから、いいから」3人の子どもと買い物に奮闘中の私に声をかけてくれた...「神様のような人」

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:じゃすみん
性別:女
年齢:45
プロフィール:2男、1女の3人兄妹の母です。

「いいから、いいから」3人の子どもと買い物に奮闘中の私に声をかけてくれた...「神様のような人」 3.jpg

私はひとりっ子です。

近くに年の近い親戚などもおらず、兄妹にとても憧れていました。

そのぶん、子どもには必ず兄弟を作ってあげたいと願っていました。

今ではありがたいことに2人の男の子、1人の女の子に恵まれ、毎日にぎやかな生活を過ごしています。

ただ、「にぎやか」といえば聞こえはいいですが、どちらかと言うと「うるさい」です(笑)。

上の2人の男の子の年齢は2歳差、今は中学生と小学生です。

一緒に遊んだりはしているものの、幼少期から兄弟げんかはたえず、家の中では私の「コラ、やめなさい!」という叫び声が飛び交う日常です。

しかも、彼らは格闘技を習っていることもあって、殴り蹴り合いのケンカは仲裁しないと血が出るほど。

「何のために習いに行っているの」と呆れてしまいますが、兄弟だと遠慮がなくなるようです。

こういったところは、一人っ子の私は知らなかった光景なので、うらやましくも思いますが...見ているだけでも疲れるものですね。

そんな2人と、年の離れた末娘を連れて買い物に出かけた時の話です。

その時も、ちょっとしたことで兄弟げんかが始まりました。

私は甘えん坊の末娘を抱いて、商品を持ってレジに並んでいる途中でした。

口頭で仲裁を試みますがてんでダメ。

口げんかだけでなく、手も足も出始めました。

あと4人で私の番なのに、でも、周りの人に白い目で見られはじめたので、とうとうレジから離脱。

お店のレジは1台しかなく、たまたま行った日に目玉商品があって長蛇の列。

ここまで進むのにあんなに待ったのに......。

そんなことおかまいなしにケンカを続ける息子たちをなんとか仲裁し、再度長蛇の列に並び直しました。

店員さんは2人態勢で必死に対応してくれているけど、これじゃあまた15分は並ばないとね......という感じ。

追い打ちをかけるように、甘えん坊の末娘が抱っこをせがんできます。

さらに、また並んでいる間にけんかを始めないか...ヒヤヒヤ。

もうクタクタで並びたくはないけれど、今日を逃すと次にいつ買物に来れるかわかりません。

さらに、買物が多量で重い物もあるので、長男と次男には付いてきてもらわないと、私だけでは手が回らなかったのです。

1分1秒が長いこと長いこと......。

「神様......お願いだから、兄弟げんかしませんように」

心の中でつぶやいたその時、本当に神様が舞い降りた。

いや、神様のような人がやって来た!

私が列の一番後ろに並んだとき、列の前の方で何か話しをしている60代くらいのやさしそうな男性がいました。

「すぐ戻るので、ここ必ず開けておいてください」

ジェスチャー付きで自分の後ろに並んでいるご年配の男性に話しかけています。

そしてこちらに駆け足で向かってきたのです。

そして、その男性は私に向かって、「あそこに、並んで」と。

私はキョトン。

「いいから、いいから。子どもはね、当たり前。けんかもするし。いいから、大丈夫だから」

男性は私たち家族をご年配の男性の前に誘導してくれました。

「いいから、子育てってそういうもんだから」

そう言って、自分は列の一番後ろに並び直しました。

その瞬間、やっと事が理解できた私。

涙が出そうになりました。

男性は私たちのやり取りを列の後方から見ていて、自分がレジに近くなったときに、私たちが戻ってきたから、声をかけて「自分の番」を譲ってくださったのです。

近所付き合いもままならないこのご時世に、こんなに親切にしてもらい、無事会計を済ませた私たちは、その男性に何度もお礼を言って帰路につきました。

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