押して痛い!と感じたらあなたは老け込んでいる...「老け込み」を知る2つのツボとは?/最強の体調管理

最近イライラすることが増えた、人の話をしっかり聞けなくなった、「つい」口が滑ってしまうことが増えた......。こんな行動が気になってきたあなたは、もしかしたら「老け込み度」が高くなっているのかもしれません。
こうした「老け込み」から回復する方法はあるのでしょうか?実はその秘訣が「東洋医学」にありました!国内屈指の鍼灸師が教える「中長期的な体調管理」の方法を、セルフメンテナンスの具体例を交えてたっぷりご紹介します。

※この記事は『世界基準のビジネスエリートが実践している 最強の体調管理』(中根 一/KADOKAWA)からの抜粋です。

 

押して痛い!と感じたらあなたは老け込んでいる...「老け込み」を知る2つのツボとは?/最強の体調管理 pixta_42780784_S.jpg前の記事「身だしなみの乱れは老け込みの始まり? セルフケアで老け込み防止できる/最強の体調管理(1)」はこちら。

 

「健康寿命」を延ばして長寿を生き抜く

最近、心身ともに自立した生活を送ることができる期間、つまり「健康寿命」を延ばす需要が高まっています。

厚生労働省の2018年3月9日の発表によると、2016年度の平均寿命(0歳時点での余命)は男性が80.98歳、女性が87.14歳。健康寿命(医療や介護に依存しなくてもよい生存期間)は男性が72.14歳、女性が74.79歳となっています。単に、生きているということではなく、健康的な生活ができる期間を延ばし、80歳、90歳まで自分の足できっちりと歩けるような健康を保ちたいと思っていらっしゃる方も多いでしょう。

せっかくの人生ですから、「いつまでも、自由に歩ける身体でありたい」「いつまでも、食事を楽しめる丈夫な胃腸でありたい」「年をとっても、頭の回転が速く、人に一目置かれたい」という願いは、夢ではなく、到達可能な目標として持ちたいものです。

私の鍼灸院には、世界をまたにかけた国内外のビジネスエリートたちが多数、通院してくださいます。東洋医学の考えを基に、心身の不調に効くセルフケアをお伝えさせていただいていますが、皆さん、それを生活の中にうまく取り入れていらっしゃるからこそ、リタイヤしてもおかしくない年齢に差し掛かっているにもかかわらず、第一線で活躍されているのです。

あなたもいつまでも若々しい頭と身体で生活できるようになる生活習慣に変えてみませんか?本書を通じて、その方法を具体的にお伝えしていきます。

 

老け込みサインに気づくために

パフォーマンスの質が下がる老け込みという現象は、なぜ起きるのでしょうか。

一般的に、人が老け込みを強く自覚するようになるのは、おそらく、40歳前後。肌ツヤが悪く、シワが目立つようになり、髪もパサつき、お手洗いが近くなり、疲れも取れにくく、寝つきも悪くなる、食事量が少なくなる。こういった症状を自覚し始めます。

東洋医学では、これらの症状は、「気の巡りの停滞」が原因だと考えています。気の巡りが停滞すると身体を循環する「水」の巡りにも影響します。

例えば、体内を循環するリンパ液や血液も「水」に含まれます。さらに、肌の潤いや涙なども、「水」の循環による影響を受けます。

気や水の巡りが停滞し始めると、人の体質は「腎虚(じんきょ)」に偏ります。腎虚とは、「腎という働きが弱まること」を表していますが、この腎虚という体質が強くなるほど老化に悪影響を及ぼし、環境の変化に身体が適応できなくなるのです。

 

「腎虚」になると、疲労物質が溜まりやすくなる

腎虚を理解するために、腎はモーター、細胞は発電所とイメージしてみてください。加齢によって代謝が低くなるということは、発電量が減るということ。発電量が少なくなるとモーターを回す力が弱くなり、水を巡らせることもできなくなるのです。このように「腎虚」になると、巡りが悪くなるので疲労物質が溜まりやすくなります。疲労物質という〝燃えカス〟が溜まることで、発電の効率が落ち、モーターの回りが悪くなり、水を巡らせる力が弱まるのです。これが「腎虚」という状態で、圧倒的にパフォーマンス力が落ちてしまいます。

 

体調管理を始める前に「腎虚」の深刻度をチェック

身体がバランスを崩すと、必ずどこかにその徴候が表れるものです。東洋医学の専門医は、肌の色ツヤの観察や身体のコリ、ツボの反応に触れることで、患者さんよりも早く察知することができます。

そこで、まずは皆さんが「今、どの程度、老け込んでいるのか?」に気づくための方法をお教えしましょう。ツボでチェックすることができます。ツボは現在の体調が表れるポイントであり、治療するポイントでもあります。

全身には361ヶ所ものツボがありますが、その中に老け込みが始まる時に反応が出やすいツボがあります。それが、下の2つのツボです。

押して痛い!と感じたらあなたは老け込んでいる...「老け込み」を知る2つのツボとは?/最強の体調管理 最強の体調管理p33-001.jpg

この2つのツボを押した時に痛いと感じるようだと、かなり老け込みが深刻化している証拠です。

 

「復溜」と「飛陽」のツボで身体の状態がわかる!

まず「復溜」は腎に関係するツボの中でも、特に「腎の気の流れ」に関係しています。腎の働きが低下したことで流れが滞り始めると、押した時にズーンと響きます。鈍い痛みが感じられるようになるのです。

「飛陽」というツボは、足腰が疲れた時に反応が出やすいツボ。腎の働きが低下すると足腰に不調が表れます。疲れて前かがみの姿勢になると膝が曲がり、ふくらはぎに負担がかかることで、コリや痛みが表れるのです。押すとズキンと激痛がします。東洋医学の極意を皆さんに全て解説することは、かなり難しいことですが、誰でも簡単に自己診断できる「ツボ押し」なら、気軽に実践できると思います。

身体にとってベストな状態を保つためにはまずは自分の身体を知ること。慢性疲労や頭の回転の鈍化は、老け込みが原因かもしれませんから、日頃からこれらのツボを押して自己診断されるのがよろしいでしょう。

 

次の記事「「肝・脾・肺・腎」、自分の体質に合わせた自己治癒力を発揮しよう!/最強の体調管理(3)」はこちら。

 

 

中根 一(なかね はじめ)

鍼灸師。「鍼灸Meridian烏丸」院長。京都在住。
日本で最も古い鍼灸学術団体「経絡治療学会」の理事・関西支部長を務め、日本の東洋医学界を牽引。また、ロート製薬「SmartCampうめきた」にてケア鍼灸の監修も行う。世界一流の政治家や経営者、俳優や音楽家だけでなく医師もクライアントに抱える。慢性疾患の治療だけでなく、疲労回復も得意とする現代人のお抱え鍼灸師として、執筆活動・ウェルネス事業アドバイザー・鍼灸学校における後進指導にあたっている。著書に『世界基準のビジネスエリートが実践している 最強の体調管理』(KADOKAWA)などがある。


c8935f36823b104c0bf48ffbe62323baea13b19b.jpg

『世界基準のビジネスエリートが実践している 最強の体調管理』

(中根 一/KADOKAWA)

成功し続けるビジネスエリートはなぜ結果を出し続けることができるのだと思いますか?実力?運?確かにそれもあるでしょう。しかし実は彼らが成功する最大の秘訣は「体調管理」にありました!

否応なく体質の変化を感じ始める40歳以降に、老け込むことなく高いパフォーマンス力を保つことができる体調管理術をたっぷり収録。長い人生を健康に生き抜くための、国内屈指の鍼灸師が教える「本当に使えるセルフメンテナンス」ガイド本です。

この記事は『世界基準のビジネスエリートが実践している 最強の体調管理』からの抜粋です
PAGE TOP