皆藤愛子「耳を伝う〇〇にゾワゾワ...」夏井いつき先生がリアリティーを絶賛

もう一度楽しむプレバト

2020/01/15 14:00

1月9日放送の「プレバト!!」俳句査定は、冬麗戦予選1位通過と絶好調の特待生4級・皆藤愛子が特待生昇格試験に登場。霜焼の耳を伝うシャンプーの泡を詠んだ句を披露し、「私はすごく耳が霜焼けになりやすくて。よくお風呂でかゆくなるんです。シャンプーの泡がツーっと伝わってゾワゾワってなる感じ」と告白。夏井先生は「本当にいいリアリティーを書いている。映像化がきちんとできている!」と絶賛し、文句なしの“1ランク昇格”を告げた。

絶好調の皆藤愛子が"シャンプーの泡"句で1ランク昇格
今回は「冬のお風呂」をお題に、特待生昇格試験に特待生4級の皆藤愛子、名人初段の立川志らくが挑戦。

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冬のタイトル戦・冬麗戦では予選1位通過するなど勢いに乗る皆藤は、「今回はあまり発想を飛ばさず、実体験をもとに素直に詠んでみました」とお風呂場での体験を切り取った一句を披露する。

<1ランク昇格 特待生4級→3級>
シャンプーの泡伝う霜焼の耳
         皆藤愛子

「私はすごく耳が霜焼けになりやすくて、よくお風呂でかゆくなるんです。シャンプーの泡がツーっと伝わってゾワゾワってなる感じ」

"1ランク昇格"査定が告げられると、皆藤は「うわー!やったー」と大喜び。俳人・夏井いつき先生は「本当にいいリアリティーを書いている。映像化がきちんとできているから、光景が手に入るんです。"シャンプーの泡"から始まって、最後は"霜焼の耳"がアップになっていく。カメラワークがよく考えられていると思います」と大絶賛。

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さらに、先生は「"霜焼"って手足とかを出すことは結構多いが、"耳"を持ってきた。しかも風呂とか言わずに、"シャンプーの泡伝う"だけでお風呂やシャワーの光景が全部するすると読み手の脳の中に立ち上がる。とても良いと思います」と随所の工夫も高く評価した。

<添削後>
シャンプーの泡霜焼の耳伝う

また、先生は「このままの形でも良いのですが、"シャンプーの"で切らず、"シャンプーの泡"で区切って句またがりさせ、"霜焼の耳伝う"と泡の動きを最後に見せることもできるんです」とよりハイレベルな添削も披露。「これはどっちが良いとかではなく、あなたが表現しようとしたニュアンスで決めればいいんですが、耳をツーっと伝う映像や動きはこうすれば作ることもできます。次を目指すアドバイスです」と解説すると、皆藤は「こういうのが作れるようになりたいんです」と目を輝かせながら聞き入っていた。

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「名人の道は厳しい...」絶不調の立川志らく
絶好調の皆藤に対し、冬麗戦では予選落ち、正月の番組対抗戦でも鈴木亮平に敗北した志らくは「小学校1年生の娘が最近学校で言われるそうなんです。『お前のパパ勝てなかったな』って...」と娘にも悲しい思いをさせていることを告白。さらに、「夜中の3時に飛び起きたり...」と俳句に苦しみまくっていることも明かし、スランプからの脱却を誓う。

<現状維持 名人初段>
冬の蚊の申し訳なさそうなふう
       立川志らく

「発想を飛ばしました。銭湯に出かけた帰り、体が温かいから肌を露出していて、冬の蚊に刺されることもある。でも冬の蚊は、夏の蚊とは違って、申し訳なさそうにきている気がするんですよね。それを素直に詠みました」

しかし、"現状維持"を告げられた志らくは、力なくうなずいて、悲しげな表情に。夏井先生は「この句なりの味わいはあると思います。"申し訳なさそうなふう"という持って回ったような言い方は味わいがありますね。特待生の句なら偉い、偉いと褒めて終わるかもしれません」と評価しつつ、「ところが、名人ですから。"冬の蚊"いうと季語の把握の問題になってきます」と問題点を指摘。

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先生は「ただの"蚊"は夏の季語ですが、"秋の蚊""冬の蚊"も季語なんです。それぞれ違いはあって、"秋の蚊"は動きが鈍っていて弱々しく哀れなもの。それに対し、"冬の蚊"はじっとしているんです。人を刺す生命力もないというのが、季語の本意なんです」と解説し、「この"秋の蚊"と"冬の蚊"の差別化が、"ふう"という2音分があればできるんです。動詞がさまざま使えますから、少し映像が出てくるんです」と添削に着手する。

<添削後>
冬の蚊の申し訳なさそうに寄る(鳴く/刺す)

「最後を動詞にするためには、"な"を"に"にする必要があります。例えば、普通なら冬の蚊はじっとしているのに寄ってきやがったなら、"寄る"。じわっと寄ってきた感じになる。冬の蚊のくせに飛んできやがったのなら、"鳴く"。本当は鳴かないけど羽音を"鳴く"とすれば、哀れな感じにもなる。冬の蚊のくせに俺を刺しやがるなら、"刺す"。こうすると、私の血が最後の晩餐なのかという感じにもなります」

解説に熱が入るあまり「くせに!」「やがって!」と口調が荒れまくる先生に、MCの浜田雅功が「口悪いな~」とツッコみ、先生が「リアリティーを持って語っておりますから」と苦笑いする場面も。最後は先生が「季語の本意を押さえた上で、あと一仕掛けをどうやって持っていくか。これが名人の挑戦なんです!」と語り掛け、志らくは「名人の道は厳しいですね...。今夜も間違いなく夜中の3時に飛び起きます」と険しすぎる道のりを嘆いていた。


夏井先生が絶賛!相田翔子の"抱き寄せて"句とは
ランキング戦には過去に"才能アリ"も"才能ナシ"も獲得している相田翔子、磯野貴理子、高橋真麻、田山涼成、パンサー向井慧が参戦。ふり幅の大きい5人の芸能人が再浮上をかけて激突する。

<才能アリ1位>
抱き寄せて湯に浮く柚子の舟となる
       相田翔子

「"舟となる"という言葉を使いたくて。お風呂に柚子が浮かんでいるとギュッと抱き寄せたくなるんですね。柚子がポカポカと体の上に浮いて、自分が舟みたいになるんですね」

2連続で"才能アリ"を獲得後、"凡人""才能ナシ"と調子を落としていた相田は「最下位だった時は、天気がいいのに空がグレーに見えて...」と自信を失いかけていたが、"才能アリ1位"が告げられてびっくり仰天。

夏井先生は「感覚が本当に詩人です。素敵な句だと思います」と絶賛。「"抱き寄せて"から始まって"湯"が出てくるから、危ない方向に行くのかなと思った」と苦笑いしつつ、「でも、そこから"柚子"に行く。"抱き寄せて"は大げさなんじゃないのとも一瞬思ったけど、最後の"舟となる"という言葉と非常にいいバランスです」

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さらに、先生は「本人はあまり気づいていないかもしれませんが、こんなにたくさん動詞を使うと、だいたい失敗するんです。"抱き寄せ"という複合動詞だけでなく、"浮く""なる"という動詞もある。こんなにたくさん動詞を入れるとゴチャゴチャするのに、破綻させない。本当に素敵な一句。直しはいらない!」とお褒めの言葉が止まらなかった。

     ◇

さて、次回の俳句査定のお題は・・・
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【動画】みどころはこちら

芸術性や文才など芸能人のあらゆる才能をプロが査定! 才能アリなら絶賛!才能ナシなら容赦なく酷評!浜田雅功が最強講師陣を率いてお届けする新しいカルチャースクール番組『プレバト!!』はMBS/TBS系で毎週木曜よる7時放送。https://www.mbs.jp/p-battle/

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