『メシ通』をご覧のみなさま、はじめまして。
オフィス北野という芸能事務所でお笑いコンビ『がじゅまる』として活動しております、芸人の小林すっとこどっこいと申します。
ちなみに彼女ナシ歴27年です。
ところで「ポケットマルシェ」というスマホのアプリをご存じでしょうか?
ポケットマルシェ(以下ポケマル)の特徴は、全国の漁師さんや農家の方が出品した魚や野菜を、本人から直接買うことができる点。北海道から沖縄まで、すでに300人以上もの生産者が登録していて、出品物を買った人は、生産者さんたちと直接アプリ上で会話もできるようです。
生産者→一般消費者という最短の流通方法を可能にした、実に画期的なフード注文アプリといってもいいかもしれません。
こんなふうに、パソコンやスマホの画面から欲しい食材を探し、簡単に買うことができちゃいます。
そこでさっそくですが、『メシ通』×ポケマルのコラボ企画に体を張ってチャレンジすることになりました!
それは……
人はポケマルだけで生活できるのか?
そうです。ポケマルで調達した食材だけで暮らしてみようという企画です。『メシ通』っていろんなことやるんですね。27歳のDT芸人にこんなムチャブリしてくれるなんて……。
企画をスタートするにあたって、まずはルールを設けておきましょう。
いや、オレ料理できねぇし!
いきなり知らない生物送られてくるかもしんねーじゃん!
某伝説の番組ばりにいきなりなチャレンジングな企画だな!
はっきり言ってこの企画の話をもらった時は正直迷ったしビビリました。
しかし、ふと思ったのです。
「待てよ。俺は年齢=彼女ナシ歴というどうしよもないDT芸人。でも最近、料理ができる男はモテるって聞くなぁ。ということはこれを機会に料理ができるようになれば、それを口実に女性を、この家賃4万円のボロアパートに招待できるかも? しかも食材を勝手に送ってきてくれるってことは食費も浮くし」
などという思いになり、やらせていただくことになりました。邪な思いですいません。(でも、本音いうと自分がほしいのは、ポケマルより人生初の彼女です)
ある朝、部屋に巨大なタコが
ある日の午前。仕事もないので布団で寝ていました。
紅葉がきれいな秋の公園をデートをする夢でも見ていたような気がします。
すると、
ピンポーン!(ベルの音)
ということでさっそく最初のポケマル便が届きました。むろん、中身はまだ知らされぬまま……。
なんかこの重さに違和感……。
でも、ビビっていても仕方がないので開封。
なんですかね、これは。
え? こ、こ、これは……
タコだよ、タコ!
でけーーーーーー。
送られてきたのは、これか!
※今回の企画のために漁師さんに特別に選んでいただき、送ってもらったものです。実際はもう少し扱いやすいサイズの 、処理済みのものも出品されています(メシ通編集部より)
にしてもデカすぎるだろ。
てか一発目からタコって難易度高すぎるでしょ。
なんか専門的な知識必要なんじゃない。
一回も料理したことないって言ったよね?
……などといきなり不満タラタラな僕でしたが、
そうだ。俺の親父は脱サラして30年前ガチの寿司職人をやっていたんだ(実話)。ということは俺にもその血筋が流れているはず!
親父に料理法を聞いてみようかな。
いや待て! でも結局、今はいろいろあってお店をたたんで回転寿司屋さんで働いているぞ? オートメーションとかで作っていたりして。
ちょっと聞くのが気まずくなった僕は、ポケマル特有の「ある機能」を活用することにしました。
出品した漁師さんに直接聞いてみた
ポケマルでは、商品を買ったユーザーが出品者の漁師さんや農家の方々とアプリを使って、会話が出来るという画期的な機能があるのです。
これを使わない手はない!
そんなわけで、タコを送ってくださった北海道小樽市の漁師・高野さんに、食べ方を聞いてみることに。
すると……
なんとも丁寧なお返事が。
しかし、食べ方もそうだが、本題のさばき方を聞いてみると……
高野さん、親切すぎる!
さすが海の男!
なるほど、頭にある内臓を取り除かないといけないのか。
ん? そもそもタコって内臓が頭にあったんだ……という新たな発見は置いといて下処理に入ります。
↑恐らくこれっぽい。
これの上の頭の隙間に指を入れて、頭をつなぐ筋を切るとのこと。
正解なのかわからないがとりあえずもらったアドバイス通り、靴下をひっくり返すような感じでひっくり返すと……。
ムニュッ!
ぎゃーーーーー!! 何か出てきたーーー!!
って、出てきていいのか。
多分これが内臓だろう。結構エグかったので正直ビビりました。
これを取り除かないといけないので作業を進めていくと……。
気づけば墨だらけに!
こんなのマンガでしか見たことねーぜ。
ようやく内臓を取り除けた。(あくまで自分的に、正解かどうはわからん)
いちばん取っつきやすい「ゆでダコ」を作ってみる
「ゆでダコ」がオススメということなので、ゆでられるような大きさに切っていきます。
切りまくってもまだ結構なデカさである。
足8本を切り、ゆでていきます。
それを切ると……
なんか、異国で迷った挙げ句、やっと知っている顔に出会った感じ。
いいじゃないの!
では、いただきまーす!
うんまーーーーーー!
ゆでただけなのに新鮮なタコはこんなにうまいなんて!
タコ量もバカでかいので、余分に作った分を昼・夜にも食べ、満腹感も◎!
その後 保存用に小分けにしてみたが……
量多すぎ!
1匹のタコだけで、こんなに量を食べられるとは。
バター醤油炒めを作る
とはいえさすがに数日 、ゆでてばっかりで飽きが来た。
ということで続いては、オススメされていた「タコのバター醤油炒め」に挑戦!
まずはブツ切りしたゆでダコを取り出す。
それをフライパンに入れてバターで炒め……
最後に醤油を投入!
完成!
見た目的にはゆでただけとあんまり変わらないんだけど、いただきまーす!
うーん。タコは相変わらずうまいけど、味付けがちょっと薄味すぎた気がする。
料理ができるイケてる男への道のりは遠い。
タコの唐揚げを作ってみる
気を取り直して翌日は唐揚げにトライしてみることに。
ここはあの人を頼るしかない。そう、実の母を。
さっそく電話して作り方聞いてみると……。
「タコを唐揚げ粉につければ出来るわよ」(小林三智子 58歳)
唐揚げ粉? なにそれ? そんなものがこの世に存在するの?
ということで近所のスーパーで唐揚げ粉を購入し、水で溶く。
そこにタコをつけていき、
しゃー! 油に投入!!!
すげーー!! めっちゃバチバチいってるーーー!!
恐ぇーーーー!!! 飛び交う油におびえつつ格闘。
出来ました。なんかイケそう!
や、これな、
うん、イケるっ!
大成功と言っていいでしょう! さすがは唐揚げ粉。味もしっかりついていて、いかにも20代独身男性にはたまらない味。大成功!
これに気をよくした僕は調子に乗って、
タコの煮付けや、
タコのカルパッチョまで作ってしまいました。
毎日3食、タコを料理して思ったことは「タコの下処理はめっっちゃ大変!」っていう点。コツがわからないと、かなり格闘を強いられます。
漁師さん、タコを料理する人の大変さを体で感じられました。あと「元職人の親父もすごかったんだな」と父の偉大さも同時に。
などと感慨にふけっていると、またドアのピンポンが!
ん? 今度はやけに小さいぞ!!
(次回に続く……)
取材協力:ポケットマルシェ 構成:石田ケント
※この記事は2017年8月の情報です。