でらいつカレーvol.13 「大根とトマトのカレー」のつくりかた
皆さん、カレーで好きな具はなんですか?
やっぱり、豚肉とか牛肉とか鶏肉とか、肉類をあげる人が多いんでしょうか?
好きなカレーのタイプによっても、少し変わってきますかねぇ?
家庭で出るようなルウで作るカレーが好きなら、豚肉とか……。
リッチな欧風カレーが好きなら、牛肉とか……。
スパイスだけで作るようなインド系のカレーが好きなら鶏肉とか、あるいは豆とか……。
少なくとも、第一声で「大根!」という人はいないですよね、きっと(笑)。
「大根て、カレーに合うの?」
なんて言ってる方は、お若い方でしょうか?
東京カリ~番長が産声を上げた1999年。僕らは大根を具にしたカレーをフツーに作っていました。
さすがにその時代は驚かれましたが、今はもう2017年ですからね~。
ワタクシの認識では、大根なんてスパイスカレーの具の定番中の定番ですよ!
だって、チキンカレーに大根を入れるなんて、もうありふれていますし(あ、そーいやワタクシも某サイトで「大根チキンカレー」のレシピを紹介してました……テヘヘ)「大根キーマカレー」にいたっては、ちょっと検索したら、レシピがも~出てくる出てくる。でらいつカレーで、その辺のありふれたレシピを紹介してもしょうがないですし、
大根がきも~ち入ってるだけ、とか、脇役みたいな感じ、ってのはちょっと弱いですよね。
じゃーこうしましょう!
今回は思いっきり大根を主役にしたカレーにしましょう。
題して、
でらいつカレー!「ゴロゴロ大根とトマトのカレー」
いかがですか? 食べてみたいですか?
「食べてみた~い!」という言葉が聞こえました!
ということで、今回も元気に行ってみましょう!
今回使う食材はコレ!
【材料(2人分)】
- 大根:300g(6㎝)程度 トマト:小2個 玉ねぎ:小1個
- ベーコン:50g カレーパウダー:大さじ1 カイワレ大根:1/2パック
- 塩:小さじ1/2 黒胡椒:小さじ1/4 にんにく:1/2片 しょうが:1/2片
(※詳細レシピは最後に掲載します)
「カレーパウダー」を使っていますが、でらいつカレーで何度か使ってる4種のスパイス、「クミン」「コリアンダー」「ターメリック」「レッドチリ」でもOKですよ。
その時は、それぞれ小さじ1:小さじ1:小さじ1/2:小さじ1/2 ってな感じの割合でOKです。ベーコンはうま味をブーストするために足してるので、必須ではありません。
使わなければ、ちょっとあっさり目の味になりますが、他には動物性の食材が一切入らないので、ベジタリアンの方でも食べられるカレーになります。
ところで、大根は上の方、下の方、どちらを使うか? という問題がありますが、ワタクシは上の方を使うことが多いですかね~。
ぶっちゃけ、どっちも使いますが、切った時のサイズをそろえにくいという理由で、下の方、特に根っこに近い部分は使わないことが多いです。
よく言われている、葉っぱに近い部分はサラダに、真ん中は煮物に、根っこに近いほうはおろしに、そのとおりに使うのが、ベターでしょうね。
まずは下ごしらえから
いつもの通り、スムーズな調理のため、下ごしらえをしましょう。
- 大根:皮をむいて1.5cmくらいの厚さでイチョウ切り。
- トマト:1個はざく切り(粗めのみじん切り)、1個は8~10個にくし形切り。
- 玉ねぎ:繊維方向にスライス。(出来れば2mm以内の薄めに)
- にんにく、しょうが:みじん切り。
- ベーコン:適当な大きさに刻む。
こんな感じです。
▲大根のイチョウ切り
食べやすさを考えてこの切り方にしていますが、極太の大根だと、この切り方でも1個が大き過ぎるかもしれませんね。
その時はさらに半分に切ってもOKです。
逆に、イチョウ切りせず、丸のまま(コンビニおでんの大根みたいに)ってのもアリです。
見た目のインパクトを狙うなら断然それでしょうね。
▲トマトのざく切り(粗めのみじん切り)
このトマトは、カレーのベースとなるソースに使うので、きれいに切る必要はありません。
調理の途中でどうせ潰しちゃいますから。
あ、ヘタは切り落としていますよ。
▲トマトのくし形切り
こちらのトマトは具として使うので、きれいに切ったほうがイイですね。もちろん、ヘタの部分は切り落としています。
▲玉ねぎのスライス
繊維方向(繊維と並行)にスライスしていますが、「そーじゃなきゃダメなの?」と聞かれたら、「ダメじゃないです」と答えます。
繊維と垂直方向にスライスしてもぜ~んぜんOKです。
だって最終的には形が残らないのですからね。
あと、小さい玉ねぎを使っているので、この大きさ(長さ)ですが、大きい玉ねぎを使う場合は、長さを半分に切ったほうが調理はしやすいです。
▲にんにく、しょうがのみじん切り
どちらも包丁の背で潰してから切るのがオススメです。
ベーコンはこんな感じでテキトーでOKです。
切り分けの下ごしらえが終わったら、調理の開始です!
まずは、大根から調理していきます。
・大根を下ゆでし、ざるにあげておく
600mlの水に塩(小さじ1)を加え、水からゆでます。
水が沸騰するまでは強火、沸騰してからは弱火でゆでていきます。
「大根て、おいしいんだけどニオイがチョット……」という方、結構いますよね?
今回のカレーは、大根がガッツリと入るので、(そりゃそーだ、大根メインのカレーですもん)このニオイ問題の解決は結構重要です。
ニオイなんて全然気にならないとか、下ゆで面倒くさいよ~、って方は、この工程を省いてもいいのですが、まーここは、ゆでておきましょう。
とゆーか、カレーに大根を使うときは、「下ゆでしたほうが絶対おいしい!」と思っているワタクシです。ハイ。
この大きさなら10~15分程度ゆでれば柔らかくなります。
ようじが抵抗なくスーッと刺されば、柔らかくなった合図です。
ゆで上がったら、ざるにあげ水気を切っておきます。
この水気を切るというひと手間が今回のカレーをおいしくするコツなんですね。
ここからは、いつものように玉ねぎ炒めです!
今回はかなりアグレッシブに行きますよ!
心臓の弱い方は注意して見てくださいね(なんじゃ、そりゃ)。
準備はよろしいですか? それでは、いきましょう!
Let’s 玉ねぎ炒め!
・フライパンに調理油(大さじ2)を中火で熱し、にんにく、しょうがを加え、こんがりするまで炒める
調味油を大さじ2、いつもより多めに入れます(いつもは大さじ1.5)。
にんにく、しょうがをこんがり炒めるためと、この後の玉ねぎ炒めも考慮して調味油を多めにしています。
・玉ねぎを加えたら強火にし、塩を振り、しっかり焼き色が付くまで炒める
ハイでました。玉ねぎ炒めのプチテクニック。
玉ねぎを炒める時は、塩を少し振りましょう。
ふたつまみ程度でOKです。レシピの分量外ですよ。
塩を振ったら一度ざっくりとかき混ぜます。
そして、なるべく平らになるように玉ねぎを全体に広げます。
さっきも書きましたけど、この時の火加減は強火ですからね。
ここで、玉ねぎ炒めのポイントをおさらいしておきましょう。
- 強火で炒める!
- 放置して動かすを繰り返す!
- ちょっとくらいのコゲは気にしない!
それと、
- 途中差し水をする
です。
ここからが今回の玉ねぎ炒め「アグレッシブバージョン」の見せ場です。
まず最初は、このまま2~3分放置です。
放置というのは、一切触らないと言うことです。
(※フライパンの材質や火力、玉ねぎの水分量等で火の入り方は変わります。2~3分という時間はあくまで目安なので、必ず目で確認しながら炒めてくださいね)
2分放置後、フライパンをちょっとだけ揺らし、中の玉ねぎを動かした状態です。
フライパンとガスの火力のクセ、並べた玉ねぎの重なり具合の差で焼き色(焦げ目)の付き方に差が出ます。
写真でも焼き色がつき始めたところと、まだ焼けていない部分の差が出始めましたね。
更に1分放置した後、木べらで玉ねぎ全体を返すように動かしたところです。
見てください、この焼き色!
このくらいまでしっかり焼いちゃってください。
まだまだ、“放置”と”動かし”を繰り返しますよ~。
じゃーーーん!
これですよ、コレ!
今回の玉ねぎ炒めで見せたかった焼き色!
イイ感じですよね? アグレッシブでしょ?
ちなみにここまで、炒め始めから5分くらいです。
「イヤイヤ、これ完全に焦げてるでしょ?」……とおっしゃるあなた!
そう、そこのあなた! 大丈夫なんです!
これくらいのコゲなんて、全然問題ないんです!
ノープロブレムなんです!
完全に炭化してる部分(カラッカラのガリッガリになってる部分)がある場合は、取り除けばOKです。
ここまでしっかり焼き色が付いたら、差し水をします。
差し水をすることで、表面のコゲ(という名のメイラード反応による産物)が水に溶け出すとともに、沸騰したお湯が、一部残る白っぽい玉ねぎを柔らかくし、全体の茶褐色化を進めてくれます。
ちなみに、いつもの玉ねぎ炒めは50mlくらいの差し水を2~3回行いますが、今回は150mlくらいの差し水を一回だけ行います。
ちなみに、玉ねぎを焼き色が付くまできっちり炒めていくと、ちょっとだけ醤油のような香りがしてきます。
醤油の色が濃くなる色素形成も、メイラード反応らしいので、なにか似たような物質が出来ているんでしょうか?
誰か調べて~。
見てくださいよコレ。
差し水があっという間に濃い茶色になったでしょ?
これなんですよ。重要なのは。
これを水分が飛ぶまで、さらに炒めていきます。
玉ねぎを中心に集めてみました。
完全に「ヒグマ色」になりましたね。
そう、「キツネ色」ではなく、「ヒグマ色」です(笑)。
今回の玉ねぎ炒めは、これを目指しましょう!
・トマトを加え、水分がなくなるまで炒める
トマトを加えたら素早く全体に混ぜ合わせ、炒めた玉ねぎを焦がさないようにしましょう。
火加減は強火のままです。
素早く混ぜ合わせることで、トマトの水分を全体に行きわたらせ、焦げつきを防ぎます。
トマトを潰しながら、炒めてください。
「カレーロード」ができるまで水分が飛んだら、火を弱めてください。
ここでチョット、食べてみましょう。
もうびっくりするくらい甘くて、香ばしくて、うま味のあるペーストだと感じるはずです。
これが、苦くてマズ~イと思ったら……潔く作り直しましょうね(笑)。
それも経験です。
・カレーパウダー、黒胡椒、塩を加えしっかり混ぜ合わせる
ずーっと強火で炒めてきましたが、パウダースパイスを加えるときは弱火にするか、一度止めましょう。
カレーパウダーの粉っぽさが残らないよう、しっかりと混ぜ合わせてくださいね。
これで、「カレーの素」は完成です。
・ベーコンを加え、よく混ぜ合わせる
ベーコンを炒めてから加えるのもアリです。
その時は、炒めたときに出る油もキッチリ入れてくださいね。
・水を100ml加えて煮立たせ、5分程煮込む
水を加えたらしっかりかき混ぜましょう。
この後、強火で煮込むので、底にカレーの素が溜まっていると焦げてしまいます。
強火でブクブクと沸騰するまで煮立てたら、中火にし5分程煮込んでください。
この煮込みは、ベーコンから出汁を取るためです。
ベーコンのうま味が出たら、下ゆでした大根を加えます。
下ゆでした、って、口にすると、なんか一瞬、恥ずかしくなりません?
車が来るまで、って、言った時みたいに……。
・大根を加えたら、弱火にし、4~5分程煮込む
大根はもうしっかり煮込まれているので、長時間の煮込み不要です。
逆に煮込み過ぎは、カレーソースに大根のニオイが移ってしまい台無しになってしまいます。
カレーの素が底に溜まりやすいので、しっかりこそぎつつ、静かにかき混ぜながら煮込みましょう。
大根が崩れないようにやさしく、やさしく、ですよ。
・くし形に切ったトマトを加え、1~2分程煮込む
1~2分というのは、トマトが温かくなるまでです。
煮込み過ぎは、禁物ですよ!
あ、「禁物:キンモツ」って、なんかなまっているみたい、と思うのはワタクシだけでしょうか?
「オメだば、トマドの煮ゴミ過ぎは、キンモツだべさ~」
ね(笑)。
ゴロゴロ大根とトマトのカレーの完成で~す!
さー、あとは盛り付けるだけです。
カイワレ大根をトッピングしてイロドリをつけましょう!
温かいうちに、パクパク食べちゃいましょう!
まるでカレーの中で何時間も煮込んだような大根、サイコー!
(カレーの中で煮込んだのは10分以下なのにね)
おいしさが十分に残ったトマト、酸味も残っていてカレーの味を引き立ててる!
カイワレ大根の辛味がいいアクセントになっているな。
あ~、あんなにゴロゴロあった大根も最後のひとつ……。
ほぼ野菜だけのカレーだからぺろりと行けちゃたな~。
こりゃもう一皿だな。
おさらい
【ゴロゴロ大根とトマトのカレー 材料】(2人分)
・大根:300g(6㎝)程度
・トマト:小2個(100g程度×2個)(大の場合は半分ずつ使い分ける)
・玉ねぎ:小1個(150g程度)
・ベーコン:50g
・カイワレ大根:1/2パック
・にんにく:1/2片
・しょうが:1/2片
・カレーパウダー:大さじ1
・黒胡椒:小さじ1/4
・塩:小さじ1/2
・水:250ml
・調理油:大さじ2
(大根の下ゆで用)
・水:600ml
・塩:小さじ1
- 大根を下ゆでし、ざるにあげておく。
- フライパンに調理油を中火で熱し、にんにく、しょうがをこんがりするまで炒める。
- 玉ねぎを加え、強火でしっかり焼き色が付くまで炒める。
- トマトを加え、水分がなくなるまで炒める。
- カレーパウダー、黒胡椒、塩を加えしっかり混ぜ合わせる。
- ベーコンを加え、よく混ぜ合わせる。
- 水を加え煮立たせ、5分程煮込む。
- 大根を加え、弱火で4~5分程煮込む。
- くし形に切ったトマトを加え、1~2分程煮込む。
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最後にワンポイント!
玉ねぎ炒めはキッチリ焼きを入れる!
目指せ、ヒグマ色!
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どうでしたか?
大根とトマトのカレー。
大根がカレーでこんなに主役をハレるなんて、と思えたら大成功です!
ベースになるカレーソースのパンチ力は玉ねぎの焼き入れがポイントなので、コゲコゲの失敗を恐れず、思いっきり炒めてください。
失敗は成功のもとです!
作ってみてください! 是非に!
※この記事は2017年9月の情報です。