大根て、カレーに合うの?【東京カリ~番長のレシピ】

f:id:Meshi2_IB:20170824122102j:plain

でらいつカレーvol.13 「大根とトマトのカレー」のつくりかた

皆さん、カレーで好きな具はなんですか?

やっぱり、豚肉とか牛肉とか鶏肉とか、肉類をあげる人が多いんでしょうか?

好きなカレーのタイプによっても、少し変わってきますかねぇ?

家庭で出るようなルウで作るカレーが好きなら、豚肉とか……。

リッチな欧風カレーが好きなら、牛肉とか……。

スパイスだけで作るようなインド系のカレーが好きなら鶏肉とか、あるいは豆とか……。

少なくとも、第一声で「大根!」という人はいないですよね、きっと(笑)。

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122113j:plain

「大根て、カレーに合うの?」

なんて言ってる方は、お若い方でしょうか?

東京カリ~番長が産声を上げた1999年。僕らは大根を具にしたカレーをフツーに作っていました。

さすがにその時代は驚かれましたが、今はもう2017年ですからね~。

ワタクシの認識では、大根なんてスパイスカレーの具の定番中の定番ですよ!

だって、チキンカレーに大根を入れるなんて、もうありふれていますし(あ、そーいやワタクシも某サイトで「大根チキンカレー」のレシピを紹介してました……テヘヘ)「大根キーマカレー」にいたっては、ちょっと検索したら、レシピがも~出てくる出てくる。でらいつカレーで、その辺のありふれたレシピを紹介してもしょうがないですし、
大根がきも~ち入ってるだけ、とか、脇役みたいな感じ、ってのはちょっと弱いですよね。

じゃーこうしましょう!

今回は思いっきり大根を主役にしたカレーにしましょう。

題して、

でらいつカレー!「ゴロゴロ大根とトマトのカレー」

いかがですか? 食べてみたいですか?

「食べてみた~い!」という言葉が聞こえました!

ということで、今回も元気に行ってみましょう!

 

 

今回使う食材はコレ!

f:id:Meshi2_IB:20170824122123j:plain

【材料(2人分)】

 

  • 大根:300g(6㎝)程度  トマト:小2個  玉ねぎ:小1個
  • ベーコン:50g  カレーパウダー:大さじ1  カイワレ大根:1/2パック  
  • 塩:小さじ1/2  黒胡椒:小さじ1/4  にんにく:1/2片  しょうが:1/2片

 

(※詳細レシピは最後に掲載します)

 

「カレーパウダー」を使っていますが、でらいつカレーで何度か使ってる4種のスパイス、「クミン」「コリアンダー」「ターメリック」「レッドチリ」でもOKですよ。

その時は、それぞれ小さじ1:小さじ1:小さじ1/2:小さじ1/2 ってな感じの割合でOKです。ベーコンはうま味をブーストするために足してるので、必須ではありません。

使わなければ、ちょっとあっさり目の味になりますが、他には動物性の食材が一切入らないので、ベジタリアンの方でも食べられるカレーになります。

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122142j:plain

ところで、大根は上の方、下の方、どちらを使うか? という問題がありますが、ワタクシは上の方を使うことが多いですかね~。

ぶっちゃけ、どっちも使いますが、切った時のサイズをそろえにくいという理由で、下の方、特に根っこに近い部分は使わないことが多いです。

よく言われている、葉っぱに近い部分はサラダに、真ん中は煮物に、根っこに近いほうはおろしに、そのとおりに使うのが、ベターでしょうね。

 

まずは下ごしらえから

いつもの通り、スムーズな調理のため、下ごしらえをしましょう。

  • 大根:皮をむいて1.5cmくらいの厚さでイチョウ切り。
  • トマト:1個はざく切り(粗めのみじん切り)、1個は8~10個にくし形切り。
  • 玉ねぎ:繊維方向にスライス。(出来れば2mm以内の薄めに)
  • にんにく、しょうが:みじん切り。
  • ベーコン:適当な大きさに刻む。

こんな感じです。

f:id:Meshi2_IB:20170824122151j:plain

▲大根のイチョウ切り

 

食べやすさを考えてこの切り方にしていますが、極太の大根だと、この切り方でも1個が大き過ぎるかもしれませんね。

その時はさらに半分に切ってもOKです。

逆に、イチョウ切りせず、丸のまま(コンビニおでんの大根みたいに)ってのもアリです。

見た目のインパクトを狙うなら断然それでしょうね。

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122201j:plain

▲トマトのざく切り(粗めのみじん切り)

 

このトマトは、カレーのベースとなるソースに使うので、きれいに切る必要はありません。
調理の途中でどうせ潰しちゃいますから。

あ、ヘタは切り落としていますよ。

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122206j:plain

▲トマトのくし形切り

 

こちらのトマトは具として使うので、きれいに切ったほうがイイですね。もちろん、ヘタの部分は切り落としています。

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122212j:plain

▲玉ねぎのスライス

 

繊維方向(繊維と並行)にスライスしていますが、「そーじゃなきゃダメなの?」と聞かれたら、「ダメじゃないです」と答えます。 

繊維と垂直方向にスライスしてもぜ~んぜんOKです。

だって最終的には形が残らないのですからね。

あと、小さい玉ねぎを使っているので、この大きさ(長さ)ですが、大きい玉ねぎを使う場合は、長さを半分に切ったほうが調理はしやすいです。

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122218j:plain

▲にんにく、しょうがのみじん切り

 

どちらも包丁の背で潰してから切るのがオススメです。

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122227j:plain

ベーコンはこんな感じでテキトーでOKです。

 

切り分けの下ごしらえが終わったら、調理の開始です!

まずは、大根から調理していきます。

f:id:Meshi2_IB:20170824122234j:plain

・大根を下ゆでし、ざるにあげておく

 

600mlの水に塩(小さじ1)を加え、水からゆでます。

水が沸騰するまでは強火、沸騰してからは弱火でゆでていきます。

「大根て、おいしいんだけどニオイがチョット……」という方、結構いますよね?

今回のカレーは、大根がガッツリと入るので、(そりゃそーだ、大根メインのカレーですもん)このニオイ問題の解決は結構重要です。

ニオイなんて全然気にならないとか、下ゆで面倒くさいよ~、って方は、この工程を省いてもいいのですが、まーここは、ゆでておきましょう。

とゆーか、カレーに大根を使うときは、「下ゆでしたほうが絶対おいしい!」と思っているワタクシです。ハイ。

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122240j:plain

この大きさなら10~15分程度ゆでれば柔らかくなります。

ようじが抵抗なくスーッと刺されば、柔らかくなった合図です。

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122246j:plain

ゆで上がったら、ざるにあげ水気を切っておきます。

この水気を切るというひと手間が今回のカレーをおいしくするコツなんですね。


ここからは、いつものように玉ねぎ炒めです!

今回はかなりアグレッシブに行きますよ!

心臓の弱い方は注意して見てくださいね(なんじゃ、そりゃ)。

準備はよろしいですか? それでは、いきましょう!

Let’s 玉ねぎ炒め!

f:id:Meshi2_IB:20170824122253j:plain

・フライパンに調理油(大さじ2)を中火で熱し、にんにく、しょうがを加え、こんがりするまで炒める

 

調味油を大さじ2、いつもより多めに入れます(いつもは大さじ1.5)。

にんにく、しょうがをこんがり炒めるためと、この後の玉ねぎ炒めも考慮して調味油を多めにしています。

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122300j:plain

・玉ねぎを加えたら強火にし、塩を振り、しっかり焼き色が付くまで炒める

 

ハイでました。玉ねぎ炒めのプチテクニック。

玉ねぎを炒める時は、塩を少し振りましょう。

ふたつまみ程度でOKです。レシピの分量外ですよ。

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122307j:plain

塩を振ったら一度ざっくりとかき混ぜます。

そして、なるべく平らになるように玉ねぎを全体に広げます。

さっきも書きましたけど、この時の火加減は強火ですからね。

ここで、玉ねぎ炒めのポイントをおさらいしておきましょう。

  • 強火で炒める!
  • 放置して動かすを繰り返す!
  • ちょっとくらいのコゲは気にしない!

それと、

  • 途中差し水をする

です。

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122312j:plain

ここからが今回の玉ねぎ炒め「アグレッシブバージョン」の見せ場です。

まず最初は、このまま2~3分放置です。

放置というのは、一切触らないと言うことです。

(※フライパンの材質や火力、玉ねぎの水分量等で火の入り方は変わります。2~3分という時間はあくまで目安なので、必ず目で確認しながら炒めてくださいね)

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122318j:plain

2分放置後、フライパンをちょっとだけ揺らし、中の玉ねぎを動かした状態です。

フライパンとガスの火力のクセ、並べた玉ねぎの重なり具合の差で焼き色(焦げ目)の付き方に差が出ます。

写真でも焼き色がつき始めたところと、まだ焼けていない部分の差が出始めましたね。

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122323j:plain

更に1分放置した後、木べらで玉ねぎ全体を返すように動かしたところです。

見てください、この焼き色!

このくらいまでしっかり焼いちゃってください。

まだまだ、“放置””動かし”を繰り返しますよ~。

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122330j:plain

じゃーーーん!

これですよ、コレ!

今回の玉ねぎ炒めで見せたかった焼き色!

イイ感じですよね? アグレッシブでしょ?

ちなみにここまで、炒め始めから5分くらいです。

「イヤイヤ、これ完全に焦げてるでしょ?」……とおっしゃるあなた!

そう、そこのあなた! 大丈夫なんです!

これくらいのコゲなんて、全然問題ないんです!

ノープロブレムなんです!

完全に炭化してる部分(カラッカラのガリッガリになってる部分)がある場合は、取り除けばOKです。

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122336j:plain

ここまでしっかり焼き色が付いたら、差し水をします。

差し水をすることで、表面のコゲ(という名のメイラード反応による産物)が水に溶け出すとともに、沸騰したお湯が、一部残る白っぽい玉ねぎを柔らかくし、全体の茶褐色化を進めてくれます。

ちなみに、いつもの玉ねぎ炒めは50mlくらいの差し水を2~3回行いますが、今回は150mlくらいの差し水を一回だけ行います。

ちなみに、玉ねぎを焼き色が付くまできっちり炒めていくと、ちょっとだけ醤油のような香りがしてきます。

醤油の色が濃くなる色素形成も、メイラード反応らしいので、なにか似たような物質が出来ているんでしょうか?

誰か調べて~。

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122342j:plain

見てくださいよコレ。 

差し水があっという間に濃い茶色になったでしょ?

これなんですよ。重要なのは。

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122348j:plain

これを水分が飛ぶまで、さらに炒めていきます。

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122354j:plain

玉ねぎを中心に集めてみました。

完全に「ヒグマ色」になりましたね。

そう、「キツネ色」ではなく、「ヒグマ色」です(笑)。

今回の玉ねぎ炒めは、これを目指しましょう!

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122400j:plain

・トマトを加え、水分がなくなるまで炒める

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122406j:plain

トマトを加えたら素早く全体に混ぜ合わせ、炒めた玉ねぎを焦がさないようにしましょう。

火加減は強火のままです。

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122412j:plain

素早く混ぜ合わせることで、トマトの水分を全体に行きわたらせ、焦げつきを防ぎます。

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122420j:plain

トマトを潰しながら、炒めてください。

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122429j:plain

カレーロード」ができるまで水分が飛んだら、火を弱めてください。

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122435j:plain

ここでチョット、食べてみましょう。

もうびっくりするくらい甘くて、香ばしくて、うま味のあるペーストだと感じるはずです。

これが、苦くてマズ~イと思ったら……潔く作り直しましょうね(笑)。

それも経験です。

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122441j:plain

・カレーパウダー、黒胡椒、塩を加えしっかり混ぜ合わせる

 

ずーっと強火で炒めてきましたが、パウダースパイスを加えるときは弱火にするか、一度止めましょう。

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122448j:plain

カレーパウダーの粉っぽさが残らないよう、しっかりと混ぜ合わせてくださいね。

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122454j:plain

これで、「カレーの素」は完成です。

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122500j:plain

・ベーコンを加え、よく混ぜ合わせる

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122506j:plain

ベーコンを炒めてから加えるのもアリです。

その時は、炒めたときに出る油もキッチリ入れてくださいね。

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122512j:plain

・水を100ml加えて煮立たせ、5分程煮込む

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122518j:plain

水を加えたらしっかりかき混ぜましょう。

この後、強火で煮込むので、底にカレーの素が溜まっていると焦げてしまいます。

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122524j:plain

強火でブクブクと沸騰するまで煮立てたら、中火にし5分程煮込んでください。

この煮込みは、ベーコンから出汁を取るためです。

ベーコンのうま味が出たら、下ゆでした大根を加えます。

下ゆでした、って、口にすると、なんか一瞬、恥ずかしくなりません?

車が来るまで、って、言った時みたいに……。

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122530j:plain

・大根を加えたら、弱火にし、4~5分程煮込む

大根はもうしっかり煮込まれているので、長時間の煮込み不要です。

逆に煮込み過ぎは、カレーソースに大根のニオイが移ってしまい台無しになってしまいます。

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122536j:plain

カレーの素が底に溜まりやすいので、しっかりこそぎつつ、静かにかき混ぜながら煮込みましょう。

大根が崩れないようにやさしく、やさしく、ですよ。

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122543j:plain

・くし形に切ったトマトを加え、1~2分程煮込む

1~2分というのは、トマトが温かくなるまでです。

煮込み過ぎは、禁物ですよ!

あ、「禁物:キンモツ」って、なんかなまっているみたい、と思うのはワタクシだけでしょうか?

「オメだば、トマドの煮ゴミ過ぎは、キンモツだべさ~」

ね(笑)。

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122548j:plain

ゴロゴロ大根とトマトのカレーの完成で~す!

さー、あとは盛り付けるだけです。 

カイワレ大根をトッピングしてイロドリをつけましょう!

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122555j:plain

温かいうちに、パクパク食べちゃいましょう!

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122600j:plain

まるでカレーの中で何時間も煮込んだような大根、サイコー!

(カレーの中で煮込んだのは10分以下なのにね)

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122605j:plain

おいしさが十分に残ったトマト、酸味も残っていてカレーの味を引き立ててる!

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122611j:plain

カイワレ大根の辛味がいいアクセントになっているな。

 

f:id:Meshi2_IB:20170824122616j:plain

あ~、あんなにゴロゴロあった大根も最後のひとつ……。

ほぼ野菜だけのカレーだからぺろりと行けちゃたな~。

こりゃもう一皿だな。

 

おさらい

【ゴロゴロ大根とトマトのカレー 材料】(2人分)

・大根:300g(6㎝)程度  
・トマト:小2個(100g程度×2個)(大の場合は半分ずつ使い分ける) 
・玉ねぎ:小1個(150g程度)
・ベーコン:50g
・カイワレ大根:1/2パック  
・にんにく:1/2片  
・しょうが:1/2片
・カレーパウダー:大さじ1    
・黒胡椒:小さじ1/4  
・塩:小さじ1/2  
・水:250ml
・調理油:大さじ2

(大根の下ゆで用)
・水:600ml
・塩:小さじ1

 

  1. 大根を下ゆでし、ざるにあげておく。
  2. フライパンに調理油を中火で熱し、にんにく、しょうがをこんがりするまで炒める。
  3. 玉ねぎを加え、強火でしっかり焼き色が付くまで炒める。
  4. トマトを加え、水分がなくなるまで炒める。
  5. カレーパウダー、黒胡椒、塩を加えしっかり混ぜ合わせる。
  6. ベーコンを加え、よく混ぜ合わせる。
  7. 水を加え煮立たせ、5分程煮込む。
  8. 大根を加え、弱火で4~5分程煮込む。
  9. くし形に切ったトマトを加え、1~2分程煮込む。

------------------------------------

最後にワンポイント!

玉ねぎ炒めはキッチリ焼きを入れる!

目指せ、ヒグマ色!

------------------------------------

 

どうでしたか?

大根とトマトのカレー。

大根がカレーでこんなに主役をハレるなんて、と思えたら大成功です!

ベースになるカレーソースのパンチ力は玉ねぎの焼き入れがポイントなので、コゲコゲの失敗を恐れず、思いっきり炒めてください。

失敗は成功のもとです!

作ってみてください! 是非に!

 

※この記事は2017年9月の情報です。

 

書いた人:伊東

伊東盛

料理ユニット「東京カリ~番長」のリーダー。得意技は全国各地へカレーを作りに行く「出張カリ~」。雑誌・書籍・WEB等でのレシピ紹介やカレー関連商品の監修、飲食店のメニュー開発などを手掛ける。週に一度“間借り”でカレー屋を営業中。

過去記事も読む

トップに戻る