売れ筋は「げたんは」…コロナ5類移行後初のGW、選ばれる鹿児島みやげを調べてみた

県産品が並ぶ店内で品定めする買い物客=2日、鹿児島市東千石町の「かご市」

 新型コロナウイルス感染症の5類移行後、初めてのゴールデンウイーク(GW)。連休合間の平日となった2日、鹿児島市内の土産物店は、家族や友人へのプレゼントを選ぶ観光客らの姿が目立った。今年は日並びの悪さから旅行客の伸び悩みが懸念されたが、爆発的に客足が戻った昨年並みのにぎわいとなっている。

 アミュプラザ鹿児島にある焼酎維新館では同日、品定めをする客であふれた。泊はるみ店長(54)によると、最近は芋臭さがなくフルーティーな味わいの商品が人気で、「鹿児島っぽいけれど飲みやすいもの。交流サイト(SNS)で特定の商品を調べてくる客も多い」。4月は前年同期比130%の売り上げで「人が戻り、コロナが明けた実感がする」と話した。

 各店舗は、友人や家族に配りやすい「小分け」や、インバウンド(訪日客)も見据えた、日本や鹿児島「らしさ」というトレンドを意識する。

 マルヤガーデンズの鹿児島ロフトは昨夏、訪日客の増加を見据えて売り場をリニューアルした。忍者や、すしのイラストが描かれた文房具、日本画のポストカードを並べ、4月の売り上げは3月と比べ約150%。克灰袋をモチーフにした雑貨なども販売し、中口渉マネジャー(43)は「GW後半は天候もいい。国内客も増えてほしい」。

 マルヤ内の陶磁器専門店833by(はさみバイ)yak(ヤク)では、箸セットや箸置きが欧米客に人気。「箱入りのめおと箸は売り切れるほど。日本旅行の記念になるのでは」と西迫やよい社長(52)。4月の売り上げは外国人客が少なかった前年同期より15%伸びた。

 かごしま特産品市場かご市では、箱入り商品に加え小分け商品も多く取りそろえる。同店を運営する県商工会連合会の鳥丸亮さん(44)は「小瓶の鹿児島しょうゆや小袋のラーメンがよく売れている。ひとくちに小分けしたげたんはも鹿児島らしくて売れ筋」。

 東京から屋久島を訪れた会社員の櫻井さおりさん(30)は、職場の同僚や友人にかるかんやパック詰めしたきびなごを買った。「ぱっと見て鹿児島のお土産と分かる物を選んだ」と笑顔を見せた。鳥丸さんは「GW後半は大型クルーズ船が寄港する。多くの訪日客に鹿児島の商品を手に取ってほしい」と期待を込めた。

「かご市」で売れ筋の「ひとくちげたんは」(左)と「薩摩のかつお飯」

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