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京都・祇園で「創作漢字」展 「国字」「嘘字」から現代語まで

漢検ミュージアムの入口

漢検ミュージアムの入口

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 「漢検 漢字博物館・図書館」(京都市東山区祇園町南側、TEL 075-757-8686)で現在、「みんなの創作『感』字展」が行われている。

嘘字クイズ「金偏に母」で何と読む?

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 展示では、「鬼」「留」「守」の3つの文字を一つの漢字として組み合わせて「せんたく」と読ませるといった漢字遊び「嘘字(うそじ)」を紹介する。1806(文化3)年出版の「小野愚嘘字尽(おののばかむらうそじづくし)」に掲載されている嘘字からクイズを出題している。「ばかむら」は著者の式亭三馬の造語で「竹冠に愚」。嘘は「言偏に虚」の字を使う。寺子屋で使われた「小野篁歌字尽(おののたかむらうたじづくし)」のパロディー。

 「鈍字(どんじ)」は、「明」から「日」を取ると、「日がない(太陽が出ていない)」から「月」を「くらい」と読ませるといった漢字を使った「謎かけ」文字。来館者は、天保年間に刊行された瓦版「浪花みやげ」に掲載の鈍字から抜粋したクイズに、「難しい」と首をかしげながらも絵をヒントに謎解きを進めていた。

 中央のパネルには、国字(=日本で生まれた漢字)の専門家、早稲田大学社会科学総合学術院の笹原宏之さんが約6000字の中から選んだ現代の創作漢字も紹介する。漢字は、同館の創作漢字のコーナーに寄せられたもので、大人から子どもまでが参加している。「愛$(アイドル)」や「食愛(おべんとう)」などの20字から好きな字に投票もできる。

 パネルで笹原さんは「合字」「会意」など漢字の作り方のパターンを解説するほか、人気のテーマも紹介。例えば、「走食」「食種」「公星」はすべて「ハムスター」。「電呟」でツイッター、「見押」で「イイネ!」と読ませるなどSNSに関する漢字も多かったという。

 同館学芸員の田中郁也さんは「奈良時代から始まった国字や江戸時代の漢字遊び、現在に至るまで、日本人が日本人の感性に合った漢字を作ってきた。ここまで多くの創作漢字を体系的に分析する取り組みはおそらく初めてで、学術的にも新しい取り組み。来館者が創作漢字を作って参加できる企画なので楽しんでもらえたら」と呼び掛ける。

 5月14日は関連企画として、笹原さんの講演「国字と創作漢字-古来の伝統と斬新な発想-」を行う。開催時間は13時30分~15時、聴講料は1,500円(入館料込み)。先着130人。

 開催時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)。入館料は、大人=800円、大学・高校生=500円、小中学生=300円ほか。

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