トヨタ自動車とPreferred Networks(PFN)は12月17日、主にモビリティ事業分野におけるAI(人工知能)技術の共同研究・開発を進めることを目指し、トヨタがPFNに出資することで合意した。出資金額は10億円で、トヨタは2015年12月30日付でPFNが第三者割当増資により発行する株式を引き受ける。

トヨタは自動運転をはじめとした次世代のモビリティ社会の実現に向けた技術の研究開発に取り組んでおり、特に運転知能(Driving Intelligence)、つながる(Connected Intelligence)、人とクルマの協調(Interactive Intelligence)の3つの領域に力を入れている。

PFNが強みとする、機械学習やディープラーニングをはじめとしたAI分野での独自の高い技術力を活かして、次世代のモビリティ社会の実現はもとより、誰もが安心して安全・自由に暮らすことができる社会の実現を目指した新たな技術・商品・サービスの企画・開発を進めたいと考えている。

PFNは、自然言語処理技術などのベンチャー企業であるPreferred InfrastructureからIoTにフォーカスしたリアルタイム機械学習技術のビジネス活用を目的にスピンオフし、2014年3月に設立。最先端の機械学習、ディープラーニングの技術を産業界に応用・展開することを通じ、より良い社会の実現を目指しており、モビリティ事業分野においては、今回の出資を通じてトヨタとの連携を強化することを狙いとしている。

なお、トヨタは2016年1月に米国で開催されるCES(Consumer Electronics Show:全米家電協会(CEA)が主催する見本市)において、PFNの技術を自動車に応用する可能性のコンセプトの1つとして「ぶつからない」ことを学習する「分散機械学習のデモンストレーション」を実施する予定だ。

CESで実施予定の「分散機械学習のデモンストレーション」イメージ動画