多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることも少なくありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、「NASに保存したファイルを直接読み書きできますか?」という質問に答えます。

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NAS(Network Attached Storage)は、LANに接続された補助記憶装置です。大容量ハードディスク/SSDを搭載し、常時電源オンにしておくことによって、パソコンからいつでも読み書きできるようにしています。USBやThunderboltなど有線接続の場合は、ケーブルの抜き差しや電源ON/OFFといった操作を伴いますが、Wi-Fi経由でもアクセスできるNASにその必要はありません。

NASは一種のファイルサーバですから、定められた共有サービスに対応するOS/アプリを用意しなければなりません。多くのNASは、Windowsを中心に広く普及している「SMB」、UNIX系OSでは一般的な「NFS」など多様な共有サービスに対応しているものの、Android OSでは必須機能に位置付けられていないため、端末やシステムのバージョンによって対応/非対応の差があります。

ただし、アプリを導入すれば話は変わってきます。SMBの共有領域に接続(マウント)する機能を持つアプリは多数ありますし、WebDAVなど他の共有サービスに対応するアプリも存在します。NASメーカーの多くが、自社製品の共有サービスをマウントする機能を持つアプリを無償公開していますから、それを利用することが近道でしょう。

NAS上のファイルを直接読み書きできるかという質問ですが、アプリではなくシステムレベルで利用できるかどうかという意味でしたら「YES」です。ただし、どのような共有サービスに対応するかは端末メーカーの裁量であり、利用するNASによって事情は変わります。

SONYのXperiaシリーズの一部は、Android 4.4以降(KitKat)で「SMB」に対応したリモートシェア機能を追加したため、アプリに依存せずSMBの共有領域にアクセスできます。ただし、内蔵メモリとmicroSD以外の領域へのアクセスを想定していない(フォルダ選択の候補に現れない)アプリも多いため、パソコンに比べるとNAS上のファイルにアクセスしにくいのが現状です。

SONYのXperiaシリーズは、リモートシェア機能でSMB共有領域に直接アクセスできますが、内蔵メモリやmicroSDに比べると利用しにくいのが現状です

(記事提供: AndroWire編集部)