人類が知らない未開の文明は存在するのか?

その問いに対する筆者の答えはYES。なぜならば、「存在しない」ということを証明できないからだ。深海や地底、宇宙も含めれば、まだ人類が調査できていない場所は多い。というか、実際、先日「水の国」からやってきたというお嬢さんとお話してきたのだから、やはり、答えはYESである。非常に麗しい、119歳のお嬢さんだった。

119歳、水の国出身のバーチャル淑女

「冷蔵庫からこんにちは。水のように清らかに、太陽のようにみんなを照らす。サントリー公式バーチャルYouTuber(VTuber)の燦鳥ノムと申します。『燦々と輝く太陽』の『燦』に、お空を飛ぶ『鳥』で、さんとりと読みます♪」

サントリーまでもが手を出した。そう、今や6000人以上が鎬を削るVTuberだ。ノムさんは、サントリー公式VTuberとして活動する1899年生まれ、119歳のお姉さんである。

  • サントリー公式VTuberの燦鳥ノムさん。マンガ『夜桜四重奏 〜ヨザクラカルテット〜』や、ライトノベル『デュラララ!!』のイラストを手がけたヤスダスズヒト氏が、キャラクターデザインを担当した

還暦ダブルスコア目前のノムさんだが、外見はなんともエレガント。丁寧な言葉遣いやおっとりした性格も好感が持てるし、年齢を感じさせない不思議な魅力があるではないか。その愛らしさはいったいどこから来るのだろう。

以前、ロート製薬の根羽清ココロさんに話を伺ったときは、初めてのVTuber取材に面食らった部分もあるが、同じ轍を踏む筆者ではない。もう驚かないぞ。よし、じゃあ早速、サントリー公式VTuberになった経緯など、ノムさんにいろいろと聞いちゃおう。

「私が公式VTuberになったきっかけはスカウトですね。いろいろな飲み物について知りたくて、探しに出たところ、こちらの世界で最初に着いたのがサントリーという会社だったんです。そこで出会ったサントリーの人にスカウトされまして、公式のVTuberをさせていただくことになりました」

なるほど、採用のきっかけはスカウト。たしかに、山奥で湧き出る水のごとく澄んだルックスのノムさんは、“水と生きるサントリー”をブランドメッセージに掲げている同社にぴったりだ。さすが、サントリー。目の付けどころが違う。

しかし「こちらの世界」ということは、ノムさんはどんな「こちらではない世界」からやってきたのだろうか。

「私の出身地である『水の国』です。お水がとっても豊かで、綺麗なところなんですよ」

水の国……。あ~、知ってる。知ってる。超知ってる。ベネチアだ。……違う? 山梨県の南アルプス市とか、そのへん? ……あ、どちらも違う。では、水の国とは……?

「水の国は、とっても大好きな故郷なのですが……、飲み物がお水以外ないんですよね~。だから、初めてこちらの世界にきたときは、本当にいろいろな飲み物があることに驚かされました。わぁいいなぁ、贅沢だなぁ~と。ワァラ」

ワ? え? 何? ワァラ? water(すごくいい発音で)? え? ……あ、w←これ? これのこと? いわゆる、「ワラ」ってことか。水の国では「ワァラ」と発音するわけだ。そういえば、根羽清ココロさんも「ねばー」という口癖があった。なんというか、皆さんとても個性的である。

結局、水の国がどこなのかは不明だったが、まぁいいとしよう。

ノムさんのw(ウォァルァ)動画。本場の発音はこの動画からどうぞ。ちなみに、こちらの世界で使われる「www(草生える)」は、水の国で「水湧く」と表現するらしい。大草原は大瀑布? 大噴水?

「ほかのVTuberの皆さんも個性的ですよ。動物みたいなお耳が生えている方や、動物そのまま? の方もいらっしゃるんです。日々、驚きの連続ですね!」

たしかに、狐だったり猫だったり、馬にゴリラに、6000人いる“しゃべる個性”のなかで自分の立ち位置を確立することは、そう簡単なことではないのだろう。そのあたりでも、きっとさまざまな工夫や苦労をしているに違いない。