日本のどこかで年に数日だけオープンする“幻の野外レストラン”を訪ねる旅「DINING OUT」。このイベントにレクサスが協力していると聞いたので、参加して取材してきた。旅の舞台は新緑の季節を迎えた青森県。最初に向かったのは、あの山だった。

  • レクサス「RX」

    レクサスが協力する「DINING OUT」とは一体、どんなイベントなのか

「DINING OUT」というのは、いってみれば「1泊2食付き」の旅行商品だ。JTBで申し込めば、レクサスオーナーであるかどうかを問わず、誰でも参加できる。主催するのはONESTORYという会社。これまでに大分県、佐賀県、広島県、北海道などの日本各地でDINING OUTを開催してきたが、東北は今回が初めてだ。「ミステリーツアー」形式なので、参加者は具体的な行く先を知らないまま、1日のプログラムを楽しむ。

レクサスは、同イベントの2回目からオフィシャルパートナーという形で参加している。参加者の送迎はレクサス車であり、希望すれば試乗もできる。

DINING OUTの概要は以上の通りだが、実際のところ、どんな体験ができるのか。今回、青森県で一般の参加者と一緒に体験してきたので、その模様をお伝えしたい。

  • 青森を走るレクサス

    青森県の浅虫温泉を舞台とする「DINIG OUT AOMORI-ASAMUSHI with LEXUS」に参加してきた。設定されたテーマは「Journey of Aomori Artistic Soul」だ

レクサス「RX」に試乗! 向かったのは…

7月6日の昼前。青森空港に降り立つと、スタッフの出迎えを受けた。これから、DINING OUTに付随するレクサスの試乗体験「LEXUS ドライビングプログラム」が始まるのだ。乗り込んだのは「RX 450 hL」というSUV。操作説明を受け、勧められるがままに「田代平湿原」を目指すドライブルートをナビゲーションにセットした。

ルート設定には、「レクサス オーナーズデスク」というサービスを使用する。これはオペレーターと電話で話すように対話できるシステムだ。言葉で行く先を伝えると、向こうでナビを操作し、ルートを設定してくれた。

  • レクサス「RX」

    試乗した「RX 450 hL」は、3.5LのV型6気筒ガソリンエンジンを積むハイブリッド車だ。車両本体価格は769万円だが、乗ったのは「ムーンルーフ」などのさまざまなオプションが付いた合計価格842万6,560円のクルマだった

「青森でタシロ……?」。その地名に聞き覚えはあったものの、「田代平湿原」については不勉強でもあり、土地勘もなかったので、青森県のどのあたりなのかがよく分からなかった。なので、とりあえず、ナビ通りにクルマを走らせていると、車窓から見える景色は段々と、濃い新緑の緑に移ろってきた。地名を記した看板などに目をやりながら進んでいくうちに、ようやく気がついた。……八甲田山に向かっていたのだ。

  • レクサス「RX」

    向かっていたのは八甲田山だった

映画『八甲田山』では、神田大尉(演じたのは北大路欣也さん)が第五連隊の雪中行軍隊を率いて青森を出立し、八甲田山を抜け三本木の方へ出ようとするも、「田代温泉」まで残り2キロの地点で吹雪に遭い、ルートを見失って立ち往生してしまう。青森を発って八甲田山へ……。偶然ではあるが、レクサスに乗った私は同じ道、とまではいかなくとも、同じ方向に進んでいたのである。雪中行軍で有名なこの山に差し掛かった時の気持ちは、何か怖いような、(不謹慎かもしれないが)映画の舞台を訪れることができて嬉しいような、複雑なものだった。

  • レクサス「RX」

    「雪の進軍、氷を踏んで、どれが河やら、道さえ知れず」。ついつい口ずさみながら八甲田山中をレクサスで走った

映画では地元の古老が、冬の八甲田山を「白い地獄」と言い表していた。それでは現代の、そして初夏の八甲田山はどんな場所だったのかというと、「素敵なドライブコースだった」の一言に尽きる。

  • 新緑の八甲田山

    新緑の八甲田山

  • 城ヶ倉大橋

    城ヶ倉大橋

  • 津島文治先生謝恩の碑

    津島文治先生謝恩碑。津島先生は太宰治の兄だ

  • 「八甲田除雪隊の歌」が流れる石碑

    「八甲田除雪隊の歌」が流れる石碑

試乗した「RX 450 hL」は、全長5,000mm、全幅1,895mm、全高1,725mmとかなり大柄なクルマではあったものの、細くなったり曲がりくねったりする八甲田の山道を力強く、難なく駆け抜けた。山の天気というのか、走行中は日が差したり、濃い靄がかかったりもしたが、刻々と表情を変える八甲田山の魅力は、かえって十分に堪能できたのではないかと思う。

  • レクサス「RX」

    八甲田山中では濃い靄がかかる場面も。少し先でさえ見えないほどだったが、幻想的な光景でもあった

八甲田山でのドライブを終え、集合場所となっていた温泉宿「南部屋・海扇閣」へ向かう。そこからは、先ほどのレクサスをドライバーに運転してもらい、レセプション会場に移動した。ドライバーは普段、地元の「青森タクシー」に勤めている運転手の方なので、道中で聞ける話は興味深く、移動時間も全く退屈しなかった。