Windows 7の延長サポート終了が目前に迫っています。2009年10月に生まれたWindows 7も、考えてみれば、はや10年が経過。延長サポートが終了する2020年1月14日以降はセキュリティ更新プログラム等が提供されず、テクニカルサポートも受けられなくなります。

PC業界では“駆け込み需要”という言葉も聞こえてきますが、量販店ではいまどういう状況なのか、ビックカメラの旗艦店「ビックカメラ 有楽町店」のPC売り場を見学してきました。

  • ビックカメラ 有楽町店5FにあるPC売り場。Windows 7のサポート終了が黄色のPOPで至るところに掲示されている

    ビックカメラ 有楽町店5FにあるPC売り場。Windows 7のサポート終了が黄色のPOPで至るところに掲示されている

  • 柱も全て「サポート終了」告知。取材日が1月10日のため「サポート終了まであと4日」となっているが、1月12日時点では残り2日に迫っている

  • PC売り場のみならず、エスカレーターの下り口や店頭入り口など、来店した人が目に留まる場所で注意喚起されている

PC売り場一面に「サポート終了」告知

PC売り場は壁や柱、目立つ店頭ポップなど、至るところに「Windows 7サポート終了」の告知で埋め尽くされていました。ビックカメラ 有楽町店でPCコーナーを担当する近藤直樹さんに話を聞いたところ、「今年度は増税のタイミングで新しいPCを買う方も多く、昨年度と比べて全体的に販売数は伸びていますが、その要因として“Windows 7延長サポート終了にともなう買い替え”もあるとみています」とのこと。2020年1月1日~5日までのお正月セール時期は、昨年(2019年)の同時期と比べPC販売台数が1.5倍増だったといいます。

来店するのはビジネスパーソンやファミリー層、年配の方が中心。「店頭の告知やニュースを見て来店される方が多いです。“Windows 7サポート終了”の内容を把握されている方もいますが、『Windows 7が使えなくなってしまう』と考えている方もいるので、来店時に告知の内容をしっかり説明しています」。7年~10年前のPCから買い換える人もいますが、さすがにWindows 7からの移行が多く、XPやVistaからの買い替えは少ないとのこと。

  • ビックカメラ 有楽町店でPCコーナーを担当する近藤直樹さん

売れ筋はDynabookやLAVIEの10万円強モデル

買い替えにあたっては、「一昔前はデスクトップPCを使っている人も多かったため、買い替え時にはノートPCかデスクトップPCかで迷う方が多い」。現在PCの販売比率はノートPCが7割超(JEITA 2019年度パーソナルコンピュータ国内出荷実績による)と主流で、メーカーがノートPC製品を多く揃えていることもあり、来店者の希望を踏まえた上で品揃えの充実したノートPCを勧めることもあるそうです。

同店で売れ筋となっているPCは、15.6型モデルの「Dynabook T6」(ビックカメラオリジナルモデル)や「LAVIE Note Standard NS600/NA」(Ryzen 7搭載モデル)、13.3型モデルの「Dynabook G」シリーズなど。国内メーカーの人気が高いものの、タッチ対応でスマートフォンのような感覚で使えることから、「Surface Laptop 3」「Surface Pro 7」も注目度が高いといいます。

  • Dynabook T6(ビックカメラオリジナルモデル)

  • LAVIE Note Standard NS600/NA(Ryzen 7搭載モデル)

  • 13.3型のモバイル製品ではDynabook Gシリーズのうち10万円半ばの価格帯となるDynabook G5 / G6が売れている

  • 13.5型のSurface Laptop 3やSurface Pro 7も注目度が高いという

日本マイクロソフトが2019年12月24日に公開したブログによると、2020年1月時点で国内で稼働しているWindows 7搭載PC(推計)は、法人で753万台、一般家庭で638万台に上るとしています。同店はWindows 7の延長サポートが終わった後でも、普段PCを使わない人など“買い替えを急がない層”による買い替え需要がしばらく続くと予想。また、近藤さんは「今はPCの秋冬モデルが出揃い、春モデルに切り替わる前の谷間の時期。春モデルが発表されたら、新旧モデルの価格比較もできるため、検討しながら買えるタイミングではあります」と話しています。