シャープは2月17日、第5世代移動通信システム「5G」に対応したスマートフォンを、国内向けに初めて発表しました。5Gは2020年春に商用サービスが始まる予定で、各キャリアで準備が進んでいます。今回発表された5Gスマホ「AQUOS R5G」も、キャリアで取り扱いがあると見られています。どんなデザインなのか、どんな特徴があるのか、発表会の写真でチェックしてみましょう。

  • シャープの「AQUOS R5G」。2020年春の発売を予定しています

外観

AQUOS R5Gは、5G通信対応のAndroid搭載スマートフォン。画面はAQUOS R3でも採用されていたPro IGZO液晶ディスプレイで、サイズは約6.5インチ(3,168×1,440ドット)。背面には存在感のある8Kワイドカメラ(クアッドレンズ)を搭載しています。本体は約162×約75×約8.9mm、重さは約189gで、カラーはアースブルー / ブラックレイ / オーロラホワイトの3色展開です。

  • 背面はミラーのように反射する素材。左から順にアースブルー / ブラックレイ / オーロラホワイトです

  • 片手で操作するにはやや大ぶりな本体。しかし現行フラッグシップのAQUOS R3(約156×約74×約8.9mm)より一回り大きいながら、重さはプラス4gと、手に持った軽さが印象的でした

  • ブラックレイの背面。カメラ部分は1mm弱ほど出っ張っています

  • オーロラホワイトの背面。カメラの向かって右下にある小さな穴は、動画撮影用のマイク穴とのこと

  • アースブルーの背面。光の加減によって印象がかなり変わりますが、奥行きのある深い青でした

ちなみに、基本性能としてCPUはクアルコムのSoC「Snapdrgon 865 5G mobile platform」、メモリは12GB、ストレージは256GB(最新のUFS3.0+WriteBooster規格)を内蔵。5G通信は6GHz以下の周波数帯(Sub6)のみをカバー。通信速度は最速で4Gbpsとなり、2GBの映画を4秒でダウンロードできるとうたっています。

カメラとインタフェース

搭載カメラは、AQUOSのスマートフォンとして、そして国内メーカーの端末として初めて8K動画撮影(H.265形式で記録)に対応しました。背面レンズは上から順に光学2倍の望遠、120度の画角をカバーする超広角、標準、ToF(深度)センサーという構成。動画の被写体をAIで追跡する「8Kフォーカス再生」や、4K HDR撮影機能もあります。

インタフェースに奇をてらったところはなく、充電ポートはUSB Type-C。上面にはイヤホンジャックも用意しました。

  • アウトカメラ。52mm相当の(光学2倍)の望遠、19mm相当で120度の画角をカバーする超広角、26mm相当の標準、ToF(深度)センサー。NFCも備え、おサイフケータイ対応です

  • 前面には水滴型の16.4MPインカメラ。顔認証にも使えます(指紋認証センサーもディスプレイ下に搭載)

  • 充電ポートはUSB Type-Cポートを下部に搭載

  • SIMスロットは左側面に搭載。本体の厚みは8.9mmで、さほど厚く感じません

  • イヤホンジャックが上部にあります

特徴

AQUOS R5Gの特徴は、5G通信への対応や8Kカメラ以外にも幾つかあります。発表会場で実機を見て印象的だったのは、手にしたときの軽さ、5Gならではの熱対策、Pro IGZO液晶ディスプレイの表示機能などでした。

特にディスプレイは、シリーズ初の最大輝度1,000cd/平方メートル対応や、初の照度センサーによる画質調整機能「スマートカラーマッチング」、HDR映像の輝度バランスを自動調整する「HDRエンハンサー」など、新しい機能が多く盛り込まれました。なお、リフレッシュレートはAQUOS R3と同じ120Hz対応です。

  • AQUOS R5G(左)と、現行フラッグシップのAQUOS R3(右)。画面サイズは約6.2インチ→約6.5インチと大型化しましたが、重さは4g重くなっただけ。実際手にすると、一瞬モック(中身のない模型)なのではないかと思ってしまうほどの軽さです

  • 5G対応のSoCを搭載することで発熱量が増えたため、新たに銅ブロック/銅シールドを採用し、熱を素早く分散させるシステムを開発したといいます

  • AQUOS R5Gの内部構造

  • HDRエンハンサーは、表示コンテンツをリアルタイムで分析してトーンカーブやバックライト輝度を制御、省電力を保ちながら映像をより美しく描く技術。オンにすると、暗い映像ではバックライトの輝度を絞るため、黒がよりしまって見えるほか、階調のつぶれが低減したり、消費電力が低くなったりするメリットがあります。実際の見え方はオン/オフでほぼ変わらないながら、バックライトを絞り消費電力が低くなるという調整は、会場で見た限りでは、かなりうまく働いているようでした

  • 無線通信はWi-Fi 6(11ax)に準拠。Wi-Fi 5(11ac)に準拠するAQUOS R3と比べ、会場でのデモンストレーション環境では250Mbpsほど高速になっていました

  • ゲームコンテンツの表示を最適化するゲームモードも、引き続き搭載。より自然な色合いでゲーム内オブジェクトを表示しつつ、細部はより正確に描画するといいます

  • 照度センサー+RGBセンサーを初搭載。環境に応じて、画質を調整する「スマートカラーマッチング」機能を備えています。写真ではややわかりにくいのですが、オレンジがかった照明の下では、同機能をオンにしている右側のモデルでは、被写体の女の子の服の柄がよりくっきり表示されていました

  • 2020年春、5G商用サービスの開始にあわせて発売予定です