• 3月25日から順次、キャリア各社で5Gサービスが正式にスタートした

NTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンクの携帯3社が、次世代通信の5Gサービスを2020年3月25日から順次開始しました。5Gは高速大容量・低遅延・多接続といった特徴があり、使うには対応スマホを購入する必要があります。新しい通信方式に対応するとあって、その多くが高性能。従って高値のものが多くなっています。

こうした端末を利用者が買いやすいよう、各キャリアは「端末購入補助プログラム」(買い方プログラム)を用意しています。これは毎月分割払いで一定期間の支払いを行い、次の買い替え時に残金を免除する仕組み。プログラム申し込み時に買った端末の回収が前提となり、自動車購入における「残価設定型ローン」という購入に近いものです。金利はなく、一括払いと変わらない料金になるので、単純に2年間の支払いが安くなります。

  • 5Gスマートフォンが2020年3月に各キャリアから登場している

5Gスマホを安く使える
キャリアの端末購入補助プログラム

こうした新しい「買い方プログラム」が登場した背景には、2019年10月の電気通信事業法改正によって、回線契約を条件にした端末購入にともなう補助金は税別2万円までと規制された経緯があります。この改正によってキャリアは5G普及のためでも端末に補助を出すことができません。

そのために生まれたのが新しい「買い方プログラム」です。NTTドコモは「スマホおかえしプログラム」、auは「かえトクプログラム」、ソフトバンクは「トクするサポート+」という名称で提供しています。

【各キャリアの買い方プログラム概要】
標準の分割回数 標準の支払い回数 端末 新規購入
スマホおかえしプログラム
(ドコモ)
36回 24回 回収 不要
かえトクプログラム
(au)
24回 23回
トクするサポート+
(ソフトバンク)
48回 24回

いずれも改正電気通信事業法に従って、回線契約を条件にはしていないため、各社の回線がなくてもスマホの購入は可能ですし、回収時に新端末購入が条件の場合も、回線契約自体は解除可能です。この場合はSIMロック解除をすれば、他社回線でも利用できます。

買い方プログラムは、購入者の負担を軽減してくれますが、内容が複雑でわかりづらい面もあります。各社の内容は微妙に異なるので、それぞれ見ていきましょう。キャリアによっては、新しい購入方法は5G対応スマホに限らず、4G対応スマホでも利用できるので、今後の端末購入時の参考にしてください。

次のスマホの買い替えがいらない
ドコモ「スマホおかえしプログラム」

スマホおかえしプログラムの特徴
●24回の分割払い(全36回払いで12回分免除)
●dプログラムへの加入が必要
●端末回収後、次の端末購入が不要

ドコモの「スマホおかえしプログラム」は、36回の分割払いで対象スマホを購入した場合に、最大12回分の分割支払金を免除するというもの。つまり、実際には24回の分割支払金を支払う形になります。支払免除の条件はdポイントクラブに加入することと、端末を返却することです。

端末返却時には査定が必要で、水濡れや故障、画面割れといった基準を満たさない場合、20,000円の料金を支払う必要があります。12回分の免除を受けず、36回分の支払いを継続すれば、端末を返却せず使い続けることも可能です。

例えば、各キャリアから発売される5Gスマートフォン「AQUOS R5G」(シャープ製)の場合、ドコモオンラインショップでは本体価格111,672円ですが、5G WELCOME割によって5,500円引きになるため、106,172円が一括払いの料金です。おかえしプログラムを利用した場合、2,949円の分割金で36回払いになります(初回分のみ金額が若干異なります)。24回目の支払い時点で累計支払額は70,781円となり、残価35,391円の支払い不要で返却できます。

  • シャープのAQUOS R5G。AQUOSシリーズのフラッグシップスマホで、3キャリアすべてで発売する

  • スマホおかえしプログラムでは、例えば108,000円で買った対象スマホの場合、総支払額が3,000円×36回のところ、24回目×3,000円=72,000円支払えば、残り12回分×3,000円=36,000円が免除される(端末は返却)

「スマホおかえしプログラム」の特徴としては、分割払いし終えた後に「次の端末購入が不要」という点が挙げられます。他社でも新端末の購入をしないパターンは選択できますが、そもそも購入を前提としないのはドコモだけで、新端末を購入しなくても残価が免除されます。また、24回目の支払いより前に回収に出すことも可能ですが、その場合も24回分の支払いが必要です。

そもそもの端末価格が安めな点と、端末購入を必要としない点は嬉しいところです。最終的に端末を入手したい場合、36回という分割回数は他社に比べると短く、安心感があります。

スマホおかえしプログラム対応端末(2020年4月7日時点)
iPhone
iPhone 11、iPhone 11 Pro、iPhone 11 Pro Max、iPhone XR、iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone X、iPhone 8
ドコモ スマートフォン
●Xperia 1 II SO-51A●AQUOS R5G SH-51A●LG V60 ThinQ 5G L-51A●arrows 5G F-51A●Galaxy S20+ 5G SC-52A●Galaxy S20+ 5G Olympic Games Edition SC-52A●Galaxy S20 5G SC-51A●Xperia 5 SO-01M●Galaxy Note10+ SC-01M●Galaxy Note10+ Star Wars Special Edition SC-01M●AQUOS zero2 SH-01M●AQUOS R3 SH-04L●Galaxy S10 SC-03L●Galaxy S10+ (Olympic Games Edition) SC-05L●Xperia XZ3 SO-01L●Xperia 1 SO-03L●Galaxy S10+ SC-04L