DataRobotは4月23日、オンラインで会見を開き、エンタープライズAIプラットフォーム「DataRobot」の最新版「v6.0」を発表した。画像を用いたモデリング機能の「Visual AI」にに加え、「DataRobot Paxata」「AI アプリケーション」の国内提供も同時に開始し、「DataRobot ML Ops」「ディープラーニングの自動化」に関する機能強化を行った。

今回の新機能リリースにより、機械学習の自動化(Auto ML)にとどまらず、エンドツーエンドでデータから価値創出を行うための主要プロセスであるData Prep(データ準備)、AutoML、ML Ops(AIモデルの実運用化)のすべてを自動化できるAIプラットフォームに変化を遂げたという。

DataRobot Japan チーフデータサイエンティストのシバタアキラ氏は「組織におけるAIプロジェクトでは『技術取得が難しい』『ビジネスと結びつかない』『プロジェクトの推進方法がわからない』の3つのボトルネックが存在し、われわれは解決したいと考えている。最新版は、顧客自身が持つデータからビジネス価値を生み出すことまで、エンドツーエンドで自動化することが可能だ」と述べた。

  • DataRobot Japan チーフデータサイエンティストのシバタアキラ氏

    DataRobot Japan チーフデータサイエンティストのシバタアキラ氏

最新版では、AutoML、Data Prep、ML Opsの3つの各主要コンポーネントすべてにおいて重要なアップデートを実施。

  • 最新版でのアップデートの概要

    最新版でのアップデートの概要

AutoMLにはVisual AIの追加とディープラーニング機能の強化、Automated Time Seriesに新技術を導入した。Visual AIは画像を用いたモデルの作成・解釈・利用をシンプル化・自動化することで、ディープラーニングに必要なスキルやリソースを持たない組織でも画像を用いたモデリングを可能としている。

DataRobot Japan プロダクトマネージャーの小幡創氏は「画像を利用したAIの作成は誰にでもできるわけではなく、ディープラーニングに関する知識とスキル、トレーニングのための大量の画像データ、画像以外のデータ(数値、テキストなど)と合わせた統合的な処理、説明性・解釈性の確保などが課題になるが、これを解決できる」と説明する。

  • DataRobot Japan プロダクトマネージャーの小幡創氏

    DataRobot Japan プロダクトマネージャーの小幡創氏

具体的にはユーザーは画像ファイル群をドラッグ&ドロップするだけで、数値、カテゴリ、日付、テキストといった多様なデータとともに画像を活用したモデリングを開始でき、さまざまなAI活用テーマの精度向上を可能としている。画像に対して「AIの説明性」も提供するため、画像とモデルの予測結果との関連性を理解した上でモデルを利用できるという。

  • Visual AIの概要

    Visual AIの概要

ディープラーニング機能の強化では新たなKerasベースのモデルフレームワークにより、従来はディープラーニングモデルの学習はコストと時間を要するものだったが、実ビジネスにおいても信頼性が高く、本番環境にデプロイ可能なディープラーニングモデルを容易に構築できるほか、モデル特性を理解することも可能としている。

Automated Time Seriesは新たにディープラーニング技術を導入し、大規模な複数時系列のモデリングにおける障壁が取り除かれ、予測アプリケーションの作成が容易となっている。

Data Prepについては、DataRobot Paxataが追加され、初心者や知識・知見の豊富なユーザーでもインテリジェントで使いやすいデータ準備機能を使用して機械学習モデルの学習や予測のために必要なデータの探索、整理、結合、成形することを可能としている。

  • DataRobot Paxataの概要

    DataRobot Paxataの概要

小幡氏は「モデル作成前は、表記ゆれの検出・名寄せや異常な値の検出・削除をはじめとした自動化が難しいデータ修正に加え、他の表との統合、計算列の追加といったドメイン知識に依存する追加特徴量の生成などのデータ準備が必要となる。こうした作業は誰でも簡単にできないことから、データの準備ができずにAIの活用が進まないケースがあるため、DataRobot Paxataを提供する」と話す。

同社は、昨年12月にPaxataを買収し、DataRobotのAIカタログや予測機能と統合し、ユーザーはDataRobot Paxataで準備したデータを迅速にAI開発・利用のプロセスに連携できるようになっている。

ML Opsに関しては、機能拡張とAIアプリケーションを追加。同氏は「AIモデルの実運用化に際して2つの大きな課題がある。1つは運用フェーズの際にモデルを利用・監視・ガバナンスなどの仕組みが必要になる。そして、もう1つはデータサイエンスになじみのないユーザーがわかりやすく価値を理解するには、誰かがわかりやすいアプリケーションを開発し、モデルをインテグレーションしなければならない」と指摘。

  • ML Opsの概要

    ML Opsの概要

機能拡張では事前構成済みのモデル実行環境が追加され、ユーザーはPythonやRなどの言語で開発されたモデルファイルをドラッグ&ドロップで簡単にデプロイできるという。また、さまざまな環境にデプロイされたモデルからメトリックを取得できるリモート監視エージェントにより、DataRobot内にデプロイしたかどうかを問わずモデルの監視を一元化することを可能としている。

AIアプリケーションは、機械学習モデルを利用したアプリケーションの作成を自動化することで、最終的に意思決定を行うユーザーに対して使いやすいインターフェースを提供。

これにより、必ずしもデータサイエンスに馴染みのないビジネスユーザーでも予測モデルを用いた予測値の取得や、予測結果の比較、逆問題による予測値の最適化などを実行でき、ビジネスの意思決定を行うことが可能とし、アプリケーションの作成は自動化されているため個別に行うモデルのインテグレーションは不要だという。

  • AIアプリケーションの概要

    AIアプリケーションの概要

  • AIアプリケーションの一例

    AIアプリケーションの一例