セイコーエプソンは6月24日、大容量インクタンク「エコタンク」搭載のインクジェット複合機「EW-M5610FT」を発表した。プリントは、A4判よりもひとまわり大きいA3ノビ判に対応しつつ、スキャナーをA4までの対応にするなどして本体サイズを抑えた。エコタンク搭載により、印刷コストはA4カラーが1枚0.9円、A4モノクロは1枚0.4円と低い。在宅ワークや在宅学習を受け、自宅で文書のプリントやスキャン、コピーが必要になった家庭に売り込む。

価格はオープンで、予想実売価格は税別7万円前後。発売は7月9日。

  • プリントはA3ノビ、スキャンはA4までに対応したコンパクトなインクジェット複合機「EW-M5610FT」。家庭にも置けるサイズとデザインに仕上げている

顔料ブラックと染料カラーインクを用いる4色印刷の複合機。プリントはA3ノビサイズに対応しており、A4サイズでは足りないパンフレットや学習教材、チラシなどのプリントが可能。自動両面印刷機能を搭載しており、A4サイズまでの用紙は自動で両面印刷できる。用紙は、前面カセットに最大250枚、背面トレイに最大20枚給紙できる。

本体右端に大容量インクタンクを搭載しており、1回のインク交換でカラーインクは約6,000ページ、ブラックインクは約7,500ページ分プリントできる。印刷コストはA4カラーが1枚0.9円(従来のインクカートリッジ式モデルは約13.5円)、A4モノクロは1枚0.4円(同4.1円)と、10分の1未満に抑えた。印刷速度は、A4カラーが9ipm、モノクロが17ipm。

FAX機能も搭載しており、FAXの送受信が可能。スキャナー部にはオートシートフィーダ―を搭載する。本体サイズはW752×H363×D498mm、重さは約10.2kg。

全色顔料インク&高速印刷のオフィス向けモデルも

2段の給紙カセットを備えるオフィス向けモデルも投入する。A3ノビ対応の「PX-M6712FT」「PX-M6711FT」と、A4対応の「PX-M791FT」の3製品。いずれも、エコタンク搭載モデルでは初めてインクを全色顔料インクとし、普通紙でもよりきれいに印刷できるようにしたほか、マーカーなどでなぞったり水で拭いても文字がにじまないようにした。主力モデルでは、印刷速度をカラー・モノクロともに最大25ipmにまで高速化した。消耗品の交換用インクを複数のプリンターで共用できるメリットなどを訴求し、オフィスに売り込む。

価格はオープンで、予想実売価格はPX-M6712FTが税別14万円前後、PX-M6711FTが税別11万円前後、PX-M791FTが税別9万円前後。発売はすべて7月9日。

  • プリント、スキャンともにA3ノビに対応した「PX-M6712FT」「PX-M6711FT」。後者はプリント速度や保証を抑えた低価格モデルとなる

  • プリント、スキャンともにA4対応の「PX-M791FT」