スイスの製薬大手ロシュ・ホールディングは7月29日、関節リウマチなどに効果が認められている抗炎症薬「アクテムラ(一般名:トシリズマブ)」について、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関係する重症肺炎の成人入院患者を対象とした第3相臨床試験で、主要な評価項目が達成されなかったと発表した。

また、新型コロナ患者に対する投与/非投与の4週後の死亡率の違いを含む主要な副次的評価項目も満たさなかったとするが、一方で治療をうけた患者の退院までの時間にはプラスの傾向が確認されたともしており、試験結果をさらに分析する必要があるとしている。

なお、ロシュでは今回の試験結果の詳細については学術誌での掲載を目指すとしているほか、今回の試験以外にも進めている新型コロナ治療に向けた2つの第3相臨床試験や1つの第2相臨床試験など、複数の研究を進めているとしており、継続して治療法の確立に向けた取り組みを進めていくとしている。