光源寺・産女の幽霊ご開帳

 民話「産女(うぐめ)の幽霊」を受け継ぐ長崎市伊良林1丁目の光源寺で16日、幽霊の像や日本画の掛け軸が開帳された。家族連れや夏休み中の子どもたちが訪れ、幽霊の母子物語に熱心に耳を傾けた。

 民話によると、身ごもったまま同寺の墓地に埋葬された女性が、墓の中で赤ん坊を出産。幽霊となった女性が町のあめ屋に毎晩通い、母乳の代わりに赤ん坊にあめを与え、育てたという。毎年8月16日に合わせ、幽霊の像などを公開している。

 今年は、東京を中心に人形劇を披露する人形遣いの安藤経一さん(58)が、この民話を基に作ったオリジナル人形劇があった。ほかにも参拝者は像に手を合わせたり、幽霊が購入したとされる米でできたあめを受け取ったりした。

 学童クラブの友達と訪れた市立虹ケ丘小5年、稲田翔君(10)は「今も昔も、人間も幽霊も、子どもを守りたいという母親の気持ちは一緒なんだなと思った」と話した。 【編注】安藤経一さんの「経」は「経」のツクリ

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