新戦力 2018V長崎・⑫完 背番号32 DF 徳永悠平(34) 経験豊富な守備職人

 いつからだろう、地元でプレーしたいと思っていたのは。昔からの夢をかなえる好機が、34歳にして巡ってきた。日本代表として国際大会でも活躍したDF徳永悠平は今、「早く試合がしたくて、わくわくしている」。

 国見中、国見高出身の生粋の「じげもん」。2度、五輪の舞台にも立った。2012年ロンドン大会では、44年ぶりのベスト4進出に貢献。A代表でも国際Aマッチ9試合を経験した。本職はサイドバックだが、センターバックやボランチもこなせる守備のスペシャリストだ。

 03年のJリーグデビュー以来、FC東京一筋だった。V・ファーレン長崎には元同僚のMF幸野や高校時代の同級生GK徳重、後輩のMF中村北はいたが、ほとんどが初対面の年下ばかり。一抹の不安を抱えつつ、合宿でコミュニケーションを取ると「お互いの細かい特徴も分かった。みんな明るく楽しくて元気よくやっている」となじんできた。

 練習試合では守備力の高さを発揮した。主将のDF高杉は「J1チームとやると受け身になることが多かったが、悠平が落ち着かせてくれた。1対1が強くて、隣にいて安心する」と認める。J1リーグ359試合出場の経験値も魅力。「相手の特性やスタジアムの雰囲気を伝えていくのが自分の役割」と考えている。

 積み上げてきたチームのベースも、より深く理解できた。走り込み中心のメニューに国見時代の面影も感じた。「長崎らしいサッカー」で古里のために全てを出し切る。

安定感がある守備でチームを引っ張るDF徳永=沖縄県、かいぎんフィールド国頭

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