長崎ランタンフェスおすすめスポット 実行委・張さんに聞く

 長崎市中心部で開催中の「長崎ランタンフェスティバル」。25回目の今年も約1万5000個の光がまちを彩り、大勢の観光客らでにぎわっている。実行委員会企画幹事長の張仁春さん(62)に各会場の見どころや楽しみ方を語ってもらった。

◎新地中華街 戯れる獅子    新地中華街会場(湊公園)にあるメインオブジェは「瑞獅戲球(ずいすーしーちょう)」。毎年「干支(えと)」をデザインしていたが、今年は「戌(いぬ)」から離れた。だが中国の寺でこま犬と同じ役割を果たす獅子6匹が、愛情や絆の象徴であるまりと戯れる様子を表現した。高さ10メートルの大作だ。  オブジェの制作を手掛けた台湾在住のランタン作家林健兒(けんじ)さんは、空想上の動物が得意で安心して任せることができた。瑞獅戲球の右にあるオブジェ「鳳凰」と左にある「龍」もランフェスでは初めてお目見え。その後方の祭壇で1年の御利益を祈願してほしい。  ランフェスの前身「春節祭」のころから新地中華街会場の最初と最後は中国獅子舞を披露。今年もそこは変わらない。

◎孔子廟 変面ショーが人気

 孔子廟(びょう)会場ではステージイベントをたくさん開催しているが、「変面ショー」が人気。高校生の変面師たちが頑張っている。変面の関連グッズも販売している。  唐人屋敷会場は、他の会場の華やかさとは対照的に落ち着いている。長崎市指定有形文化財の福建会館は改修中のため見られないのが残念だが、「土神堂」「天后堂」「観音堂」を巡ってろうそくをともす「ロウソク祈願御堂巡り」を体験してほしい。  興福寺は、イベントは多くないが、ステージではなく境内で披露されるのが特徴。25日の「媽祖(まそ)行列」の出発式もここで開催。お寺の雰囲気の中で演じられる直庫(てっこ)や千里眼(せんりがん)、順風耳(じゅんぷうじ)の演舞を楽しんでほしい。

◎浜んまち 天井からびっしり

 浜んまち会場のおすすめは、25日に長崎青年会議所が中心となって開く「手作りランタン体験コーナー」。1999年まで実施されていた「手作りランタンコンテスト」が姿を変えたもので、オリジナルのランタンを無料で作ることができる。コンテストのころ、私もほぼ毎年応募していた、思い入れのある企画だ。  この会場で好きなのは天井からびっしりと下げられた、赤くて丸いランタン。大きめのサイズはここにしかない。人物のオブジェが多いのも特徴。好きな人物を巡る楽しみ方もできる。  鍛冶市会場は路上パフォーマンスのみ。パレードなどの見物客は浜んまち会場に集まりやすいので、鍛冶市会場は意外と見やすいかもしれない。

◎中央公園 屋台充実、食事も楽しんで

 中央公園会場は、イベントが中心。ステージ前の観覧エリアには天井があるので、雨でも大丈夫。新地中華街会場と違い、土日も中国雑技を見ることができる。屋台の種類と数も充実しており、食も堪能してほしい。  また大型オブジェの「玄武(げんぶ)」「祥龍戲珠(しょうりゅうぎじゅ)」「金牛(きんぎゅう)」3体を置いている。子どもの目線にも配慮して、遊具の近くに動物のオブジェを配置した。  ランフェスが始まったころは、外国から中古のオブジェを買っていたが、今は毎年新しいものを作っており、祭りが大きくなったことを感じている。

6匹の獅子がまりと戯れる様子をデザインしたメインオブジェ「瑞獅戲球」=新地町、湊公園
変面ショーで盛り上がる見物客 =大浦町、長崎孔子廟
赤いランタンに彩られた天井 =浜町、浜市アーケード
ランタンやオブジェがともる中、食を楽しむ来場者 =賑町、中央公園

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