託された思い 私たちの声で 「水の会」が平和祈る朗読会 8月の本番へ練習励む

 長崎と東京を拠点に活動する朗読グループ「水の会」(今井登茂子さん主宰)が朗読や歌を通し平和を祈る音楽朗読会「マリアの丘から愛をこめて」が今年も8月に開かれる。4月から練習を続ける長崎の会の東島真奈美代表(58)は「メンバーに戦争体験はないが、身を削る思いで残された記録から事実を学び、託された思いを、私たちの声で届けたい」と意気込む。
 朗読会は2008年に始まった。元TBSアナウンサーの今井さん(81)は、戦争中に母を亡くし一時的に感情を喪失。そんな今井さんの体験から「敗戦から始まった“戦い”」を今回のテーマとした。
 長崎の会が朗読するのは、被爆詩人、福田須磨子が苦しみをつづった「われなお生きてあり」。19日、長崎市内であった練習では、イメージを増幅するように背景に流れるピアノの音色とともに15人が輪読。今井さんや東島さんから作品の解釈についてアドバイスを受けたり、意見を出し合ったりした。木田柾子さん(48)=宮崎県=は「全員が同じ意識でバトンを渡す感覚」、大島智恵子さん(63)=佐世保市=は「遠い歴史のことではなく、今につながっていることを感じてもらえたら」と話した。
 朗読会は8月4日午後2時、長崎市若草町のカトリック城山教会で開演。東京の会は、俳優の児玉清さんら、戦争の時子どもだった著名人から聞き書きした「昭和二十年夏、子供たちが見た日本」を朗読する。入場無料。

東島さん(右)と作品の解釈について話し合うメンバー=長崎ブリックホールリハーサル室

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