子どもの救済で第三者機関設立 長崎市の市民団体

 長崎県長崎市の市民団体「子どもの権利条約ながさきネット」は20日、長崎市内で定期総会を開き、いじめなどに苦しむ子どもらの救済を目的とした第三者機関「子どもの権利オンブズパーソンながさき」の設立を決めた。

 オンブズパーソンながさきは、いじめや虐待などに苦しむ子どもたちの相談を受け付け、医療や法律などの専門家(オンブズパーソン)を交えて問題の解決にあたる。第三者機関は通常、いじめ自殺など重大な問題が起きた後につくられることが多いが、常設して子どものSOSを見逃さず命と権利を守る試み。6月2日に長崎市川口町の浦上百貨センター内に相談窓口を設ける。

 総会後のフォーラムでは、海外や国内の先行事例を紹介。相談員となる古豊慶彦さん(30)は、既存の組織や制度を否定するのではなく「補完できるのではないか。子どもが自分から相談に来てくれる窓口にしたい」と抱負を述べた。出席者からは「既存の組織では不十分。予算が回らず行政力は弱まっている」「(子どもの問題で)助けてくださいと願っていた」「いじめを学校や教委に訴えてもなかったことにされる。(オンブズパーソンながさきを)自慢できると、市民一人一人が思ってくれる団体になれば」などと意見が上がった。

第三者機関の概要を説明する古豊さん(中央)=県庁

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