「多くの方に触れ合ってもらえるような再活用を」-。長崎電気軌道(長崎市)は、老朽化のため昨年3月に“引退”した路面電車3両のうち、90年以上使われた「151号」を含む2両を無償譲渡する。3月末まで申し込みを受け付けている。
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151号は1925(大正14)年製造。東京、神奈川県小田原市を経て57年に長崎へ移され、82年に営業運転を終えた。手動ドア式で、塗装は全体が水色、窓枠周辺が黄色。もう1両の「1051号」は52年に仙台市で走り始め、76年に長崎が譲り受けた。90年代後半まで現役だった。塗装はクリームと緑、オレンジの3色。2両は近年、線路整備やイベントに使われていた。
2両はパンタグラフや電気部品を外すため自走できないが、内・外観や表示などはそのままにする。残る55年製造の「701号」はアスベスト(石綿)が車体全体に含まれていたため解体処分にする。
同社は活用策を聞いて譲渡先を選定する。運搬費用は申込者の負担となる。過去には、2012年のブラジル・サントス市と長崎市の姉妹都市提携40周年を記念し、15年にサントス市に寄贈され、観光電車として運行されている。博物館や保育園に譲り渡された例もあるという。
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