2018年7月27日から28日にかけて(日本では7月28日未明)の皆既月食は、約103分という21世紀最長のものだった。地球の影に隠れた月は、地球の大気を通過し、屈折してきた光によって赤銅色に染まる。これだけ長い時間にわたって赤い月を見られ、しかも、すぐそばには、2003年以来地球に最接近しつつある火星まで見られた。まさに一生に一度しかない特別な瞬間で、観測できた人は幸運だ。

 皆既月食は、オーストラリア、ニュージーランド、アジア、ヨーロッパ、アフリカ、南米で観測できたが、北極圏、太平洋諸国の大部分、北米からは見られなかった。月食を観測できる地域に住んでいても、天気が良くなければ見ることはできない。空が晴れていた地域の人々は、「世紀の月食」をこぞって写真に残している。

 こうして撮影された世界各地の月食写真から、ナショナル ジオグラフィックの写真編集者が厳選した11点を紹介しよう。

文=Michael Greshko/訳=ルーバー荒井ハンナ

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