とてもショッキングな光景だ。
アフリカ南西部に位置するナミビアで、たくさんのカバが横向きや仰向けになって死んでいる。地元の人々の間でさらに動揺が広がっているのは、この大量死が非常に短い時間で起きたからだ。
ナミビア環境・観光省で課長代理を務めるジョンソン・ンドコショ氏によると、死んだカバが初めて見つかったのは10月1日。それ以来、アンゴラとボツワナにはさまれたナミビア北東の回廊地帯に位置するブワブワータ国立公園の西部で、少なくとも100頭のカバが死んでいることがわかった。(参考記事:「落雷でトナカイ300頭以上が大量死、ノルウェー」)
「ここしばらくは起きていなかった現象です」とンドコショ氏は話す。今のところ、これは以前にも同じような大量死を引き起こした、ある細菌によるものではないかと考えられている。
省の担当者は、電話での取材に対して「炭疽(たんそ)菌が原因ではないかと考えていますが、まだ確認はできていません」と答える。まだ分析の最中であるとしながらも、担当者は炭疽(炭疽症)を防ぐのは難しいことを強調する。(参考記事:「炭疽菌、熱波と生物種の関係」)
BREAKING NEWS: Over 50 hippos found dead in Bwabwata
— New Era Newspaper (@NewEraNewspaper) 2017年10月6日
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ンドコショ氏も、「できることは多くありません」と語る。「野生生物を移動させることはできませんから」
報告によると、被害はアフリカスイギュウにも及んでいるようだ。だが、ンドコショ氏によると、カバが大量死した場所は国立公園の中でも僻地にあり、家畜が飼われている場所からは遠くはなれているため、炭疽が広まる可能性は大きくないという。
2004年には、ウガンダで200頭近くのカバが炭疽により死んだ。このときは、研究者による正式な診断が行われるまでに何カ月もかかり、少なくとも10人が死んだカバの肉を食べて死んでいる。(参考記事:「カバを食べるカバ――共食いする動物たち」)