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警察庁のシステムに多言語音声翻訳技術、全国規模でのシステム運用は初

警察庁のシステムに多言語音声翻訳技術、全国規模でのシステム運用は初

多言語音声翻訳機能の画面イメージ(情通機構提供)

情報通信研究機構は25日、情通機構の多言語音声翻訳技術が警察庁の情報通信システムに採用されたと発表した。警察庁は多言語音声翻訳機能を搭載したスマートフォンやタブレット端末などを全国47都道府県警に計5万台順次配備する。公的機関が全国規模で情通機構の多言語音声翻訳技術を搭載したシステムを運用するのは初めてという。訪日外国人への地理案内や落とし物の問い合わせへの対応などに活用される。

スマホやタブレット端末を通し画像伝送やグループ通話などができる警察独自のシステム「高度警察情報通信基盤システム」に多言語音声翻訳機能を追加した。日本語と29言語との間での翻訳機能を備え、さらに日本語や英語、中国語、タイ語、フランス語など13言語で音声による入出力が可能。

総務省は3月、2025年に人工知能(AI)による同時通訳を実現し社会実装を目指すなどの目標を掲げた「グローバルコミュニケーション計画2025」を発表。今後、中央省庁などの公的機関で多言語音声翻訳技術が活用されると期待される。

すでに情通機構は多言語音声翻訳アプリ「ボイストラ」を開発し、無償公開している。さらにボイストラに使われている多言語音声翻訳技術を民間に60件以上ライセンスしており、多くの製品やサービスが生まれている。

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