新型コロナ緊急事態宣言下 3つのメンタルリスクと解決法

外出の機会や日課を決める(写真はイメージ)/(C)PIXTA

 安倍首相が「非常事態宣言」を出してから10日が過ぎようとしている。最初はいつもと違う生活に対する緊張感もあって「テレワークも悪くない」と思っていた人も、「あと3週間もあるのか」とうんざりしているのではないか。多くの人は体力を持て余しながら見えざる敵にビクビクして暮らしている。イライラするのは当然だ。そこで、精神科医で獨協医科大学埼玉医療センター教授の井原裕医師に精神コントロールのやり方を語ってもらった。

 緊急事態宣言下には、外出の自粛が要請され、通常の日課が失われます。その結果、3つの心の健康リスクが生じます。

①睡眠リズムの不整
②日中の活動量減少
③他人との交流減少

 まず、睡眠リズムです。心はいつもストレスと戦っていますが、この心の抵抗力は睡眠中に培われます。それも毎日同じタイミングで眠りに入り、同じタイミングで目覚めるときに、抵抗力は順調に回復します。しかし、明日の日課がなくなると、何時まで起きていてもかまわないし、何時まで寝ていてもかまわない。その結果、睡眠リズムが崩れます。当然、睡眠の質が低下し、睡眠中に行われるべきメンテナンスが不十分になります。ストレス抵抗力もメンテナンスされませんから、心は「打たれ弱い」状態となります。

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