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消えたのは雑談と忖度 テレワークが変える会議文化

20代から考える出世戦略(81)

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新型コロナという感染症のパンデミックは、もはや一過性のものではなくなろうとしています。ビジネスの視点に加えて、環境や社会を意識する経営は必須になるでしょう。そんな中、急激に変わろうとしている働き方を、私たちも受け入れる必要があります。

テレワークが変えた会議のあり方

「テレワークの会議が憂鬱なんです」

そんなことをつぶやかれたのは、旧知の某インフラ企業幹部のイシイさん(仮名)でした。

顔を合わせずにPC画面を見ながらする会議がまどろっこしいということかなぁ、と思い尋ねてみたのですが、そうではないとのこと。そうして口にされた憂鬱さの理由は意外であるとともに、今の変化を如実にあらわしているものでした。

その理由は「会議における忖度(そんたく)文化の消失」と「会議増加による効率化」だったのです。

会議から消えた忖度

「顔を合わせてする会議というのは、だいたい座る場所からみんな意識するじゃないですか。そして目立つところに陣取るのはたいてい役職が上の人間で、さらにいえば今勢いのある面々なわけですよ。それに対して事務方が資料を配って、声の大きい人間が場を進める。それが今までの会議だったでしょう? それがリモートでの会議では全部消えてしまった」

「イシイさんは、まさに役職が上で、勢いがあって、声が大きいですものね」

気のおけないお付き合いをさせていただいているので、そんな軽口にも苦笑いで応えてくれます。そしてより詳しい状況を教えてくれました。

「リモートの会議の場合、基本的に1人1台のPCを前にするでしょう。そうして、最初に発言した人に画面が切り替わるじゃないですか。すると、なんとなくその人が話すことをみんな聞くわけですよ。それがたとえ役職が下の人間でも」

確かにそうですね。

「そうして聞いてみると、案外いいこと言ってたりするわけですよ。それに対してたとえ私が『若造が調子にのるなよ』という風に嫌そうな表情をしていたところで、周りにはそれがはっきりとは見えないでしょう。せいぜい画面にうつった小さな一コマの表情なわけで。すると『正論がまかり通る』会議になってしまうんです」

私は思わず「変わりましたね」と言って声に出して笑ってしまったのですが、イシイさんも同様に笑われました。

「そう。ずいぶんと変わってしまったんですよ。正論が悪いわけではないし、その後で出てくる調整案件はあらためて考えればよいんですよね。ただ気を使ってもらえないのが寂しくてねぇ」

イシイさん自身は影響力があるものの、決して我を張るタイプではありません。だからそうして決まってゆく議題についても必ず一言以上の発言は行いながら、自分も合意しているという姿勢をあらわされているそうです。

1日10本以上の会議があたりまえに

「もうひとつ憂鬱なのはね、会議が増えたことなんです」

それは大変ですね。でもなぜなんでしょう?

「会議の時間が短くなったんですよ」

ああ、なるほど。それはそうですよね。会議室を移動したり、集まったりするための時間が不要ですからね。

「そう。それに加えて、今まで2時間きっちりかけていた会議が30分で終わることも増えましたね」

その理由はなんでしょう?

「雑談がなくなったからですよ。今までの会議だと、集まった時点ではまず雑談するじゃないですか。議題の途中で脱線することもあるし。また、会議の時間を2時間とっていたら、次の予定はそのあとからだから、議論が終わったとしてもそのまま会議室にいたりしますよね。でもリモート会議だとログアウトするだけだし、そもそも家にいたりするから会議の場に長居しないんです。それに会議室での雑談というのは、人に聞かれないところで雰囲気を共有するからこそできるもので、リモート画面越しにはなかなかそういう雰囲気にもなりませんね」

だとすると、正論でしっかり議論されることで、結論が出ることが早くなり、その分だけ多くの会議が開催されるようになったということでしょうか。

「今のところはそうですね。今後変わるかもしれませんが。若い連中は楽しそうですが、60歳を前にしてこんな変化はなかなかついていきづらいですね」

そうぼやかれつつも、イシイさん自身はしっかりついていっているどころか、客観視までされているのだからむしろリードされているとは思ったのですが。

ウィズコロナで生産性の概念が大幅に変わる

今多くの会社で、どうしても顔をあわせなければいけない仕事以外は、極力リモートに変えていこうとしています。その期間が1~2週間程度であれば一時的な対応として、やがて対面に戻るとリモートワークも消えていくでしょう。

しかし3月の1カ月をまるまるリモートにした会社も少なくありません。

そして今後、その流れはさらに長引く可能性があります。

だからむしろ対面であることがまれになる、そんな働き方に変わることを念頭に置いておくほうが良さそうです。

そうして失われるものもあるのですが、新しく生まれるものもあります。

先ほどの会議の例でいえば、失われる、とまではいかずとも薄れていくものは忖度であり雑談であり、それらはあえて言うならメンバーシップ型企業を形成してきた空気感ではないでしょうか。

その一方で新しく生まれるものは、論理的かつ適切な議論であり効率です。それは生産性と言い換えてもよいでしょう。

メンバーシップの空気感が薄れて生産性が高まっていく。

その先にあるものはもしかするとジョブ型の働き方であり、個人の意識が尊重される組織なのかもしれません。

それはまだはっきりと断言できるものではありませんが、少なくとも私たちは、ただ流されてどこかにたどりつくのではなく、どこに向かうのかを意識して働き方を変えていくほうが良さそうです。

それはウィズコロナという状況で考える組織戦略の一環となってゆくでしょう。

平康慶浩
 セレクションアンドバリエーション代表取締役、人事コンサルタント。1969年大阪生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA取得。アクセンチュア、日本総合研究所をへて、2012年から現職。大企業から中小企業まで130社以上の人事評価制度改革に携わる。高度人材養成機構理事リーダーシップ開発センター長。

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