性暴力の実相・第4部(1)信じた教師が… 立場弱く拒絶できず
女子高校生のヨウコ(仮名)が性暴力の被害を受けたのは、九州の地方都市にある高校の寮。相手は、生徒を守るはずの男性教諭だった。
勉強に専念するために寮に入った。宿直当番で定期的に泊まり込む男性教諭は、悩みを相談するほどの仲。クラス担任でも、自分の部活動の指導者でもなかったが、スポーツで日焼けした壮年の男は面白く、友達のように話しやすかった。
ある晩、寮生の女子2人と宿直室に遊びに行ったときのこと。眠くなって友人と横になると、周りに分からないように教諭から体を触られた。どうしていいか分からず、寝たふりを続けた。
いったん部屋に戻ったものの、「なぜそんなことをしたのか」聞くため、1人で宿直室に戻った。信用していた教諭からいきなり抱きつかれ、キスされた。
「おまえのことが気になってたよ」「男はこうしたら喜ぶんだぞ」。体が硬直して払いのけられず、わいせつな行為をされた。
以来、毎週のように、深夜に部屋を訪ねられ、耳元でこう言われた。「宿直室に来なさい」