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「頑張る子を笑顔に」 難病の長男への思い重ね、慰問するバスケ選手

 バスケットボール男子のBリーグ2部「ライジングゼファー福岡」の加納誠也選手(30)が14日、久留米大病院(福岡県久留米市)の小児病棟を訪問した。自身の長男=1歳11カ月=も生まれつき重い心臓病がある加納選手は「同じように頑張っている子どもたちとその家族を笑顔にしたい」と、昨年末から県内の病院への慰問活動を始めた。

 「バスケットボールの音、聞いたことある?」

 身長196センチの加納選手が音を立てながら素早いドリブルを披露すると、子どもたちが目を輝かせる。

 加納選手は全病室を回り入院する約50人と交流。サイン入りボールと試合観戦チケットを贈った。保護者には「大変だろうけど前向きに頑張りましょう」。白血病の今村優誠君(12)は「治療はきついけど僕も頑張ろうと思った」と照れくさそうに話した。

 加納選手の長男大誠ちゃんの病気が分かったのは出産の1週間前。肺へ血液を送る肺動脈弁が閉鎖する指定難病の肺動脈閉鎖症と、心臓の右心室が小さい右心室低形成症候群と診断された。生後1カ月と昨年夏に手術を行い、今は毎月の検査と24時間の酸素吸入が必要。今年4月にも大きな手術を控えている。

 わが子が闘病する姿と家族の不安を身をもって知る加納選手は、かつてチームで病院を訪ねた経験を思い出し、個人による慰問活動「41PROJECT」を企画。41は自身の背番号であり、「for one’s smile(一人の笑顔のために)」の意味も込めた。チームもチケットを提供するなどして支援する。

 昨年12月に福岡市立こども病院を訪れ今回が2回目。来月は福岡県飯塚市内の病院を訪問する。「自分とふれ合うことや試合に出る姿を見てもらうことが、少しでも励みになれば」。選手兼アシスタントコーチとして活躍する加納選手の新たな挑戦が始まった。 (平峰麻由)

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