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芥川賞に福岡出身の古川真人さん 長崎の離島舞台「背高泡立草」

 第162回芥川賞直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が15日、東京・築地の料亭「新喜楽」であった。芥川賞は古川真人(まこと)さん(31)=福岡市生まれ、横浜市在住=の「背高泡立草(せいたかあわだちそう)」(すばる10月号)に、直木賞は川越宗一さん(41)=鹿児島県錦江町生まれ、京都市在住=の「熱源」(文芸春秋)に決まった。

 古川さんは2016年、新潮新人賞を受けてデビューし、今回が4度目の候補だった。母方の古里である長崎県の離島をモチーフに創作を続け、受賞作も離島が舞台。家や島にまつわる歴史や出来事を交差させ、方言を多用して書き連ねた。選考委員の島田雅彦さんは「土地に根付いた歴史的な重層性を巧みにすくいあげ、時空を超えたエピソードを織り込んだ。これまでの作品とは毛色が変わった」と評価した。

 18年に松本清張賞を受賞してデビューした川越さんは初候補での受賞となった。受賞作では、樺太を追われたアイヌ民族らが近代化、文明の波に翻弄(ほんろう)されるさまを描き、壮大な歴史物語に仕上げた。選考委員の浅田次郎さんは「近年まれに見る大きなスケールで小説世界を築いた。登場人物も生き生きと魅力的で、難しい資料を駆使した」と話した。

 贈呈式は2月下旬に都内である。賞金は各100万円。 (小川祥平)

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