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浸水被害3カ所にカメラと警報装置増設 早期避難に情報強化 北九州

 北九州市は、50年に一度の大雨で氾濫することが想定される板櫃川流域の3カ所に河川監視カメラと警報装置を設置した。2018年の西日本豪雨で板櫃川が氾濫した際に、上流にある河内貯水池(八幡東区)から水があふれたことが流域の住民に情報として伝わらず、改善を求める声が出ていたのを受けての措置。市河川整備課は「設置した装置で発信される情報を避難時の判断材料として活用してほしい」としている。

 監視カメラは板櫃川のリアルタイム映像を配信する。警報装置は河内貯水池の水があふれる「越流」を回転灯と音声で伝える。

 3カ所は、県の洪水浸水想定区域に含まれる▽小倉北区平松1丁目▽同区金鶏町▽八幡東区昭和2丁目(カメラは既設)。これで板櫃川に設置される監視カメラは計3台、警報装置は別の場所にすでにある3台を含め計6台となる。今回の設置費は約1400万円。

 同貯水池は日本製鉄が管理する工業用貯水池で放流機能がない。18年7月の西日本豪雨の際には同池の水があふれて板櫃川に流れ込み、小倉北区と八幡東区の住宅や道路など約3・9ヘクタールが水に漬かり、約70棟で床上・床下浸水が発生した。

 金鶏町では越流から1時間20分後に板櫃川が氾濫。住民からは、その1時間20分の間に、氾濫防止のために土のうを積むことができたとして、越流情報などの周知を求める声が上がっていた。市は、越流情報について報道機関に提供することや、無料通信アプリLINEで配信することはすでに昨年から実施している。

 市は現在、板櫃川の氾濫を防ぐ目的で川底を掘り下げる工事に着手するが工事完了は見通せない状況。氾濫の可能性を排除できない以上、情報提供で住民の安全を確保したい考えだ。

 監視カメラが映せる場所に、川の水位と危険度を明示した量水表の設置も進めている。カメラの映像は市のホームページ「防災情報北九州」でリアルタイムで確認できる。 (岩佐遼介)

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