杵築城下町ライトアップ 観光客増へ定期的に 市と観光協会
杵築市と同市観光協会は、武家屋敷などが残る市内中心部の城下町一帯の定期的なライトアップを始めた。日が落ちると人通りがまばらになる城下町を明かりで照らして「夜の杵築」を演出、観光客増大につなげる狙いだ。
市によると、年間観光客は約100万人で増加傾向。中でも外国人観光客は急増し、2017年は約9万8千人でほぼ1割を占めるまで増えている。ただ夕方以降は地元住民が散歩できるよう街灯などがある程度。飲食店以外の店も午後7時ごろには閉まり、宿泊客らが夕方以降に外出する環境としては十分ではないという。
第1回のライトアップは17日に実施。18世紀以降の武家屋敷などが並ぶ北台と南台、両台地と商人街を結ぶ「酢屋の坂」などに約160個のライトを配置。「塩屋の坂」には発光ダイオード(LED)のテープ型ライトを敷き詰めた。
午後6時ごろから約3時間点灯。通常の週末より若者や家族連れが目立った。同協会によると、いつもより70~80人ほど多く、閉店時間を延ばした店もあったという。ただ地元住民の中には「ろうそくなど温かみのある明かりにしては」「夕方に閉まる観光施設も開けてみては」などの声もあった。
今後は、毎月第3土曜日に開催している「城下町マルシェ」に合わせて実施する予定。同協会の内田雄大事務局次長は「照明の数を増やすなど住民意見も聞きながら工夫を重ねていく。店側も営業時間を延長するきっかけにしてほしい。景観の良い場所なのでライトアップを続けていけば徐々に浸透し、SNS(会員制交流サイト)などでも拡散するのではないか」と期待を寄せている。
=2018/11/21付 西日本新聞朝刊=