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「筑後軌道」の駅・乗降所跡地に看板 日田市内12カ所 考古学同好会

 日田市の日田考古学同好会は、大正-昭和初期に同市と福岡県久留米市を結んだ軽便鉄道「筑後軌道」の駅・乗降所の跡地12カ所に案内板を設置した。筑後軌道を20年研究する同会の桑野洋輔さん(75)は「日田の近代化を支えた鉄道の記憶をとどめてもらいたい」と話している。

 2017年7月の九州豪雨の影響で、日田市夜明ダム上流に筑後軌道の遺構が出現して話題になったのを機に、歴史や文化を継承し観光にも役立てようと企画した。看板は市内企業の協賛を得て、市内にあった5駅と7乗降所の全てに設置した。縦30センチ、横40センチの板に駅名・乗降所名を記し、板の下には筑後軌道の説明も付けた。

 同会によると、筑後軌道は1916年、久留米と日田(豆田)までの全線が開通し、小型蒸気機関車が久留米までの48・4キロを約3時間20分で結んだ。停車場(駅・乗降所)は計39カ所あった。29年の全線廃止まで日田の人・物・文化の交流を支えた。

 筑後軌道の遺構は54年の夜明ダム完成後に水没し普段はダム湖に沈んでいる。昨年の九州豪雨でダム湖から放水したことに伴い水位が下がり、2017年7~10月に軌道敷の石積みなどがダム上流約1キロにわたって出現し、鉄道ファンや歴史ファンの注目を集めた。

 「鉄道を中心とした往時のにぎわいに思いをはせてもらいたい」と桑野さんは語る。同会は今後、筑後軌道や看板設置をPRするウオーキング大会なども開催したいという。

=2019/01/12付 西日本新聞朝刊=

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