暴風雪の爪痕 北海道で建物倒壊など相次ぐ
発達した低気圧により、暴風雪や大雪に見舞われた先週の北海道。週末には暖気が入り込み、雪の重みで建物が崩壊するなど被害の大きさが次第に明らかになっている。
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屋根にこんもりと雪が積もった十勝の中札内村。村にある牧場では、雪の重みでこれまでに2棟の豚舎が全壊した。少なくとも450頭近くの豚が死んだとみられているが、雪とガレキに阻まれて、生き残っている豚を救い出すのに時間がかかっているほか、被害の全容の把握も遅れているという。
清水町や広尾町、大樹町では牛舎が崩壊し、合わせて乳牛3頭が死んだほか、ケガをした牛1頭が処分されたという。
さらに、滝川市では4日、屋根に積もった雪の重みで学習塾の建物が倒壊したほか、函館市では、屋根から落ちた雪の下敷きになった高齢の女性が死亡している。
これまでの積雪に暖気が入り込んだことで、雪解けが進んだり、落雪が多発して、市民生活から一次産業にまで爪痕が残されてしまった。北見市では5日朝、灯油が漏れてタンクがカラになっているのが見つかった。4月上旬並みの暖かさとなった4日から急速に屋根の雪解けが進み、タンクに直撃したとみられる。
雪解けが進むこれからの季節。これまでに積もった雪が締まって重みを増すため、落雪や建物の倒壊への警戒がいっそう必要。