アメリカ史上３例目となったトランプ大統領の弾劾裁判で５日、有罪か無罪かの投票が行われ、与党・共和党議員の大半が無罪を支持、大統領に無罪評決が下された。

無罪を勝ち取ったトランプ大統領はさっそく、ツイッターで「でっちあげの弾劾裁判における勝利」と強調した。６日に公式声明を出すと予告していて、大統領選に向け、大々的にアピールするものとみられる。

議会上院は、トランプ大統領が再選を有利に進めるため、ウクライナに圧力をかけた「権力乱用」と、議会の調査を妨げた「議会妨害」の２つの弾劾条項について投票を行った。いずれも、上院の多数を占める与党・共和党の大半が「無罪」に投票、無罪評決が下され、大統領は罷免を免れた。

ただ、共和党から１人が造反し、有罪に投票。大統領はこの議員を「民主党の内通者」だと批判する動画を公開した。裏切り者は許さないという姿勢を鮮明にしている。

一方、民主党は猛反発している。

民主党・シューマー上院院内総務「大統領は公正な裁判なしに無罪になった。無罪評決には価値がない」

さらに、民主党は疑惑の真相を知るとされるボルトン前補佐官を下院の委員会に召喚する構え。弾劾裁判が終わっても、トランプ大統領と民主党の対立は選挙に向け、一層、激しさを増すとみられる。