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10年前のドラフトから考える巨人。
逃した大田泰示は大きかったか?

posted2018/10/13 11:00

 
10年前のドラフトから考える巨人。逃した大田泰示は大きかったか?<Number Web> photograph by Kyodo News

大田泰示は巨人では長らく未完の大器と言われ続けていたが……。育成の難しさを象徴する選手でもある。

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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Kyodo News

 NumberWebではドラフト会議のすべてを知るスポーツジャーナリスト・小関順二氏に依頼し、全12球団の10年前のドラフトを振り返って今を検証する、「2008年のドラフト会議、その後」という短期集中連載を企画しました。
 今回は、高橋由伸監督の今季限りでの辞任発表で、チームが一丸となってCSへ向かっている読売ジャイアンツです!

2008年のドラフト会議・読売ジャイアンツ。

1位 大田泰示/内野手/東海大学付属相模高校
2位 宮本武文/投手/倉敷高校
3位 齋藤圭祐/投手/千葉経済大学附属高校
4位 橋本到/外野手/仙台育英学園高校
5位 笠原将生/投手/福岡工業大学附属城東高校
6位 仲澤広基/内野手/国際武道大学
育成1位 杉山晃紀/投手/綾部高校
育成2位 尾藤竜一/投手/岐阜城北高卒
育成3位 山本和作/内野手/大阪経済大学
育成4位 福元淳史/内野手/NOMOベースボールクラブ

この年の巨人を取り巻いた、微妙な空気。

 巨人が中心になって推し進めた1リーグ制が、スト決行まで踏み切った選手会の強硬な反対によって頓挫し、やはり巨人が推し進めた選手が入りたい球団を選べる「逆指名→自由枠→希望枠」ドラフトが2006年限りで撤廃され、これも不公平ドラフトと言われた分離ドラフトは'07年限りで撤廃され……巨人の周囲には微妙な空気が取り巻いていた。

 統一ドラフトになって初めて臨んだ'08年。結果から先に言うと、巨人には悔いしか残らなかったはずだ。

 1位でソフトバンクと競合した大田泰示(内野手・東海大相模高校)を抽選で獲得するが、大田が巨人で残した成績は225試合に出場して、打率.229、安打100、本塁打9、打点40という寂しいものだった。

 それが'17年に日本ハムへ移籍すると2年間で222試合に出場し、打率.266、安打215、本塁打29、打点105を挙げてしまったからだ(10月11日現在)。

【次ページ】 大器晩成型の選手だった大田。

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