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アーモンドアイの女傑ぶりで思い出す、
ルメールの興味深いウオッカ評。

posted2019/11/01 18:00

 
アーモンドアイの女傑ぶりで思い出す、ルメールの興味深いウオッカ評。<Number Web> photograph by Yasuo Itoh/AFLO

アーモンドアイ主戦のルメールは今シーズン、史上最多タイの騎乗機会7連勝を記録するなど絶好調だ。

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平松さとし

平松さとしSatoshi Hiramatsu

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Yasuo Itoh/AFLO

 10月27日に行われた天皇賞(秋)(GI、東京競馬場、芝2000メートル)はアーモンドアイ(牝4歳、美浦・国枝栄厩舎)が優勝した。

 戦前はサートゥルナーリア(牡3歳、栗東・角居勝彦厩舎)との一騎討ちムードとも言われたが、終わってみれば昨年の年度代表馬アーモンドアイの強さばかりが光る結果が待っていた。騎乗したのはご存知クリストフ・ルメール騎手だ。

 これでアーモンドアイの戦績は10戦8勝、2着1回、3着1回。レース経験が皆無で距離も1400メートルと短かったデビュー戦こそ脚を余す競馬で2着に惜敗したが、その後、連勝街道が始まった。

 未勝利戦をなんなく楽勝すると、シンザン記念(GIII)で重賞初制覇。その後、桜花賞(GI)、オークス(GI)、秋華賞(GI)の牝馬三冠を立て続けに優勝。さらには古馬の牡馬ばかりか外国馬達をも相手にしたジャパンC(GI)では芝2400メートルを2分20秒6というとんでもないレコードで圧勝。終始先行しながらのレコードタイムマークで、他馬に付け入る隙を与えなかった。

天皇賞で“女王ここにあり”。

 今年に入ってからはまずはドバイへ遠征する。

 ドバイターフ(GI)に出走すると、ここも圧勝。一昨年、昨年と凱旋門賞を連覇したエネイブルでお馴染みのジョン・ゴスデン調教師もこのレースに管理馬を送り込んでいたが、アーモンドアイのあまりの強さの前に「衝撃的だった。固い馬場ならエネイブルにとっても脅威の存在だね」と呆れるような表情で語った。

 しかし、帰国初戦の安田記念では久々のマイル戦に加え、スタート直後の不利もあって不完全燃焼。まさかの3着に敗れてしまった。

 そして今回の天皇賞(秋)はその安田記念以来の競馬だったのだが、インをすくうとアッと言う間に抜け出して優勝。休み明けもなんのその。“女王ここにあり”という競馬を披露してみせたのだ。

【次ページ】 レースのたびに称えるルメール。

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