32945港町の発展と共に走り続ける「函館市電」(北海道)|ノスタルジック路面電車散歩

港町の発展と共に走り続ける「函館市電」(北海道)|ノスタルジック路面電車散歩

男の隠れ家編集部
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幕末の動乱を経て、函館区が設置されて約140年。町の発展と共に歩んできた路面電車である。明治時代の馬車鉄道に始まり、大正2年(1913)6月29日、その軌道を利用した路面電車が運行開始。これが現在の函館市電である。

激動の幕末から明治大正へ歴史の舞台となった町

函館市電
湯の川~函館どつく前(5系統) 営業距離/9.3km
湯の川~谷地頭(2系統) 営業距離/9.2km

特に同路線の「箱館ハイカラ號」は、昭和11年(1936)まで走っていた大正生まれの車両を復元したもので、木製の窓枠、竹製のつり革、ビロードの椅子が施されている。例年は4月中旬~10月末の土日祝日に運行するが、現在は新型肺炎の影響で運行休止中。ウイルスの一刻も早い収束と運行復活を願いたい。

大正時代のレトロな車両を復元した「箱館ハイカラ號」も例年期間限定で運行中。

そのほか25種類近くの様々なデザイン、ラッピング車両が走っているので、それらを見つけるのも楽しいだろう。特に老朽化などによってファンから廃車も危惧される500形電車は、昭和23年(1948)に登場した最古の車両である。

十字街停留場付近を走る811号。現在は8010形に車体更新された。昭和37年(1962)に登場した800形は812号を残すのみとなった。
北海道コカ・コーラのラッピングが施された2002号車。函館市電初のVVVFインバータ制御車、カルダン駆動車。
2018年2月9日にデビューした最新の9604号車。
函館山から見た市街地の眺望。函館ロープウェイのほか、宝来町停留場から旧山道を1時間程度かけて歩いて登ることも可能である。

Old Days~かつて函館市電を走っていた車両と沿線風景~

300形電車、背後には蒸気機関車。 提供/函館市電
昭和15年(1940)導入した帝国電力(のちの函館市電)400形電車。 提供/函館市電
貴重な100形電車。 提供/函館市電

【Nostalgic Spots】重厚な老舗すき焼き店「阿佐利本店」

明治34年(1901)創業、地元でも評判の高い阿佐利精肉店が営む、すきやき専門店である。特上の和牛ロースコースは4,200円。上質な肉の旨みと秘伝の割り下が絶妙な味を醸し出す。ミシュランガイドにも掲載された。

阿佐利本店にある個室・松の部屋から路面電車の姿を見下ろす。

阿佐利本店(あさりほんてん)
北海道函館市宝来町10-11
TEL/0138-23-0422
営業時間/11時~21時(最終入店20時、L.O.20時30分)
定休日/水
アクセス/「宝来町電停」よりすぐ

写真/佐藤佳穂、函館市電(一部)

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