共産党との選挙共闘に反対し、「真の保守を確立したい」と民進党を飛び出した長島昭久衆議院議員。なぜ民進党は支持を集めることも、変わることもできないのか。そして、外交・安全保障の専門家が見据える政局の行方は――。
「蓮舫代表と戦う覚悟はできている。戦い抜くしかない」

この2年ほど、私は「政権交代の即効薬はない」と訴え続けてきた。二大政党制と言われている国は、米・英・豪、みな同じように10年程度のサイクルで政権交代が起こる。英国のブレア政権にしても、17年ぶりの政権交代。ならば、われわれも下野してから10年、歯を食いしばって地道にやっていくしかなかった。ところが、地道な努力に没頭できず、選挙目当てで共産党との共闘に飛びついてしまった。

去年の代表選挙出馬時も、野党共闘の見直し、党としての憲法改正案の作成、国会戦術の根本的な転換を訴えた。私が掲げた国会戦術は、極めてシンプル。各議員が自分の得意分野で堂々と閣僚に論戦を挑むというもの。しかし、国対幹部からは、「そんな地味な質問をしても翌日のヘッドラインは取れないし、ワイドショーも取り上げない」と一蹴されてしまった。それでも、見ている国民は確実にいる。国会論争で民進党の政策力を示すことができれば、徐々に信頼を回復することができるはずだ。もし政権がスキャンダルで倒れようものなら、頼もしい専門家集団の政党がいるじゃないか、彼らに任せようという政権交代への流れをつくることが可能ではないか。

2009年の政権交代がまさにそうだった。年金問題など政権のスキャンダルもあったが、中心には政策論争があり、森友学園問題や加計学園問題ばかり追いかけている現在とは対称的だ。しかも、党としての主張が、国民の大多数よりも左傾化しているとあれば、政権の受け皿として失格としか言いようがない。