日本は自国の正当性を国際社会に強く訴えるべき

韓国が日韓の軍事情報協定「GSOMIA(ジーソミア)」を破棄した。日米韓3カ国の安全保障協力が後退するとの見方が広がっている。しかし日本はここであわててはならない。

一方的に破棄してきたのは韓国である。韓国は元徴用工訴訟の問題についても、何ら具体策を示さず、見て見ぬふりをしてきた。その結果が日韓関係の悪化だ。

まだ時間はある。今回の韓国のGSOMIA破棄を契機に、関係各国と新しい安全保障体制の枠組みを作り上げるべきである。そうすれば必ず、韓国もその枠組みに入ってくる。日本は自国の正当性を国際社会に強く訴えるべきだ。

写真=時事通信フォト
2019年8月23日、ソウルの韓国外務省を後にする長嶺安政駐韓大使(正面左から2人目)

韓国は「アメリカの意向を無視」という墓穴を掘った

8月24日、フランス南部のビアリッツで先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)が開幕した。日本の正当性を伝えるのに絶好の機会だ。26日の閉会までの3日間が勝負である。

日米韓3カ国の安全保障協力の問題について、G7では特にアメリカにしっかりと主張してほしい。トランプ大統領と親密さをアピールしてきた安倍晋三首相が、これまでの“トランプべったり外交”の成果を私たち国民に見せるべきだ。

もっともアメリカはGSOMIAの重要性を強調しながら韓国に破棄しないよう求めてきた。そのアメリカの意向を韓国は無視したわけだ。墓穴を掘ったことにもなる。韓国は今後アメリカに対し、どのように説明するつもりなのか。