【編集長インタビュー】「歴代日本人最重量レスラー」浜亮太が「10周年の誓い」

225キロの巨体をフル稼働させ大暴れする「歴代日本人最重量レスラー」浜亮太。レスラー・デビュー10周年記念大会(11月23日、群馬・桐生大会)を前に、さらなる飛躍を誓っている。

――レスラー・デビュー10周年です

浜 「こうだ」と決めた事は、がむしゃらにやるタイプなので、10年もあっという間だった。でも、思い出はいっぱいある。様々なことが浮かんでくるよ。

――プロレスラーとしてのスタートは「武藤・全日本」プロレスです

浜 武藤さんは「プロレス界のスーパースター」で、コーチはカズ・ハヤシさん、タッグ・パートナーは横綱(曙)だった。これだけ恵まれた新人レスラーが他にいる? 辛い事もたくさんあったけど、最高の船出だった。こんな幸せ者、他にいない。

――大相撲からの転身でしたが、プロレス界との違いには戸惑いはありましたか?

浜 いや、日本プロレスの父・力道山関が相撲からきているので共通点が多い。用語も、しきたりも似ている。横綱がそばにいたし、すんなりと溶け込めたね。

――デビュー戦(2008年11月3日、両国国技館)の相手は、大相撲の先輩「横綱」曙で、その後のタッグ・パートナーも曙。エリートです。期待が大きかったからでしょうが、周囲の目も厳しかったのでは?

浜 いや、嫌な思いは、ほとんどしなかった。みんなが避ける雑用も、進んでこなしていたし、自分はあくまで新弟子として頑張った。実際、いちばん下だったしね。

――デビュー1年で、3冠ベルトを奪取しました。スピード出世です

浜 イケイケ、ドンドンだった。怖い者知らずのころ。武藤さんが「デカフェチ」で体が大きな選手が好きだから、チャンスをいただけた。がむしゃらにぶつかっていったら、獲得できた。自分でもびっくりだよね。

――全日本プロレスを選んだのは、武藤さんの存在ですか?

浜 ジャンボ堀さんの紹介だった。本当、ジャンボさんには頭があがらない。先日も、挨拶させてもらった。自分ではプロレス界の内情なんて、わからなかったから・・・。最高の選択ができたのも、ジャンボさんのおかげ。いくら感謝してもしきれない。

――2013年のW-1旗揚げに加わりました

浜 苦渋の決断だった。横綱から引き留めていただいたし、悩んだけど、やはり「武藤さん、カズさんに育ててもらった」という気持ちが強かった。その恩義を貫いて、武藤さんとカズさんについていく道を選んだ。

――現在はフリー戦士を経て、昨年7月から、大日本プロレス所属選手です

浜 最後の居場所はここ。新幹線代とか、飛行機代とか、交通費が、人の倍以上かかる俺なのに、登坂(栄児)社長は、誠意ある対応をしてくれた。ファイトもお客さんも熱いし、頑張りたい。

――BJW認定タッグ王座を中之上靖文とのコンビで保持していますが「両極譚~RYOGOKUTAN~2018」(11月11日、東京・両国国技館)で、植木嵩行、佐久田俊行組とテーブルクラッシュマッチで防衛戦です

浜 テーブルクラッシュマッチは、挑戦者組の土俵かも知れないけど、テーブルごと、潰してやる。タッグ王座を死守しながら、シングルでも頂上を目指していく。

――狙いはBJWストロング王座ですね

浜 デスマッチはやりたくない。大日本のデスマッチファイターは皆、スゴイ。伊東(竜二)さん、(アブドーラ)小林さん、植木(嵩行)選手…シリーズ毎日、連戦でデスマッチ。そばでみているだけで、その凄味が伝わって来る。シリーズが始まって、二日、三日で、デコピンで血が噴き出してくる。血が固まる暇もない。血だるまのまま、試合終了直後にファンサービスしている。この団体(大日本プロレス)で、いちばん好きな所は、ファンを大切にするところ。僕も、「人にしてあげたことは、すぐに忘れて、人にしてもらったことは、一生忘れるな」という世界で育ったから、ファンの皆さんを大事にしていきたい。

――大日本プロレスは、ファンとの交流が盛んで、距離が近い団体です

浜 地方のお客さんと触れあう機会も格段に増えた。ファンの皆さんの歓声、声援でパワーをもらえるし、お客さんに喜んでもらいたい。勝ち負けはもちろん大事だけど「これぞ、浜亮太」というファイトを披露して行きたい。

――新たなリングネームとかコスチュームは?

浜 このまま行く。「黄色と黒」は、実は天龍(源一郎)関のマネ。僕ら「相撲レスラー」の中では、天龍関は伝説の人。尊敬している。天龍関の技も使いたいけど、 僕にはあんなに器用にできない。本当は技もマネして「お前、顔じゃないよ」と、天龍関に言われてみたいね。

――天龍さんとお酒とかは?

浜 まだ、ない。横綱とは、しょっちゅうだった。横綱が第64代横綱だったから「64」にこだわりがあって、生ビールなどは特大ジョッキで64杯飲む。しかも、一気飲みだった。横綱と二人で128杯。日本酒でも何でも、64本、64杯。横綱は焼酎の鍛高譚が好きだし、二人で三升、空けたことがある。

――さすがに、へべれけでしょう?

浜 横綱の財布を預かっていたので、何とか踏ん張った。横綱を送った後の事は、何も覚えていないなんて、しょっちゅうだった。とにかく「64」という数字にこだわっていたから「なんで、この人、初代横綱じゃなかったんだ。1杯ですむのに」と、思う事も多々、あった。それどころか「64」という数字が嫌いになりかけた。「ニンテンドー64」に恐怖感をいだいたのは、僕だけだろう。サービスエリアのレストランで「整理番号64」の時には、震えがきたよ。

――「植木嵩行デビュー5周年」を兼ねた「10周年記念興行」(11月23日、群馬・桐生大学グリーンアリーナ)大会では、岡林裕二、植木と組んで、関本大介、中之上靖文、星野勘九郎組とスペシャル6人タッグマッチです

浜 思い入れのある選手とのカード。中之上選手は同期で、一番キツイ時も一緒だった。移動も付き合ってもらっている。彼とのタッグベルトを防衛していきたい。

――今は何キロですか?

浜 225キロ。いつでも、食べたいモノを好きなだけ食べて来た結果だけど、少し減らしたいかな。

――体重をはかるのも大変ですね

浜 今は300キロまではかれる体重計が自宅にある。以前、動物病院で計測してもらったことがある。僕の後ろは、ポニーだった。

――10周年を超えました。今後は?

浜 骨を埋める覚悟の大日本プロレスで、ファンの人たちと一緒になって、この団体のためにも、頑張って行きたい。タッグ王座を守ってシングル王座もいただくよ。

リングを破壊しかねないボディプレス「オオキドプレス」やヒップドロップ「ハマケツ」、タックル「ぶちかまし」で、対戦相手を圧殺していく浜。大日本マット制圧に向け、225キロの巨体で動き回る。

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